「相場よりかなり高い値段を付けている所もあります。ああいった現地直売のお店は、店の前に車を停めたらほぼ間違いなくそこで何がしかの品を買うことになります。もう1回車を動かすのは面倒ですからね。そもそも客側も果物の値段の相場をあまり知らないので、少しぐらい高いと思っても、『まぁこんなもんか』と、品を買ってしまうのです。
さらに農園にとって理想的なパターンは、そこで配送まで頼まれることです。ひとたび顧客情報を手に入れれば、翌年以降はDMを送るだけ。けっこうな確率でまた購入してくれます。現地で高級品を定価かそれ以上で買ってくれたうえ、顧客情報までくれるなんて笑いが止まらないでしょうね」
ただし果物は、年によって当たりハズレが酷いうえ、明らかにプロの手による窃盗事件も相次いでおり、かなりハイリスク・ハイリターンな商売だという。