投資

相場の上昇・下落は2種類 「急騰・急落」「ジリ高・ジリ安」

 複数回にわたり「相場に誰が参加しているのか」プレイヤーについてお話ししてきました。次はそのプレイヤーが何をすると相場は上げたり下げたりするのか、という「相場の仕組み」についてお話ししていこうと思います。

急騰・ジリ高の仕組み

 そして今回は「相場の上げ方、下げ方」について。まず「相場の上昇」には2種類あります。1つ目はジリ高、もうひとつは急騰です。ジリ高の方が、急騰よりも持続するのが、一般的です。
 
 なぜなら、ジリ高の相場では、ショート筋にとってはどこかで反転するのではないかという期待が払拭できないため、ショートポジションの決済・買戻しが遅れがちになります。 まさに、ジリ高は真綿で首を締めるような上げ方でショート筋を苦しめることになります。

 一方、ロング筋から見ると、ジリジリ上がるのでははっきり上がるという確証が持ちきれず、ロングポジションが積み上がりにくい相場です。このため、ジリ高相場では、上げが持続する傾向にあります。

 これに対して、急騰相場は一気に上げますので、ショートポジションのストップロスを連打し、ショート筋が一掃されます。

 一方、ロング筋にとっては、早めにエントリーすれば別ですが、上げが急なため、上げる過程で買い筋に買うチャンスを与えないまま上がり、上げるだけ上げて、ショートポジションが解消されると、マーケットがロングになっていないため、いったん高止まりしてしまいます。

 そして、やっとロング筋に買い場が提供されます。押し目買いをするにしても、絶対的には高値圏ですので、コスト(持ち値)の悪い(高値圏で買った)ポジションが積み上がることになります。そのため、高止まり後崩れやすくなり、急騰相場では反落のリスクが高くなります。

 また、ジリ高と急騰を併せ持つ上げ相場もあり、まずジリ高が進行して、最後に急騰といったパターンがそれです。

急落・ジリ安の仕組み

 次に下げ方についてお話しましょう。

 下げ方は、ジリ安と急落に分かれますが、これは上げ方のジリ高と急騰の裏返しですので、簡単に説明します。

 ジリ安は、真綿で首を締めるような下げ方でロング筋がロングポジションを切りづらく、またショート筋が売りの踏ん切りがつきにくい相場です。そのため、ロング筋が相場が戻らないのでひとりやめふたりやめしても、マーケットにロングポジションがいっぺんには解消されないでいるため、下げが持続する傾向にあります。

 急落は、ロング筋のストップロスが連打して一気に下げるため、ロングポジションは一掃されますが、下げが急なためショート筋に下げる過程で売るチャンスをそれほど与えず、ちゃんと売れるのは、下げ止まってからです。そのため、下げてから戻り売りしたにしても、コストの悪いショート(安値圏で売った)ポジションが積み上がりやすく、反騰のリスクが高まるわけです。

 また、ジリ安と急落を併せ持つ下げ相場もあり、まずジリ安が進行して、最後に急落といったパターンがそれです。

 このように上げ方、下げ方によって、相場の次の展開がある程度読めてきますので、今の相場がどっち向かってどういう動き方をしているかを読む力をつけることが大事になるわけです。

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