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受験戦争世代が振り返る 「中学受験をしてよかったこと」

中学受験経験者が振り返る「よかったこと」とは

 今やあまり珍しくなくなった「中学受験」。それが熱を帯び始めたのは、1980年代半ばだ。当時中学受験をした大人たちは、その経験について、そして現代の受験熱をどう見ているのだろう。東大にも多数合格者数を排出し続ける中高一貫の男子校出身のTさん(45歳)に、自分の中学受験体験について、そして結婚して一女をもうけた今、自身の子供の教育について、どう思っているのかを聞いた。

――まず、ご自身はどうして中学受験をしたのでしょうか。

 小学校の同級生と話が合わず、自分から行きたいと言って、超スパルタで有名な塾に通うことにしました。当時としては早熟だったかもしれません。その塾の先生が言うに、勉強というのは“時間数”ではない、と。結局点数がとれなかったら、何時間勉強してもダメ。そりゃそうだなと思いました。学習効率とか、どうやったら記憶が定着するのかを意識するようになったのは、この頃からです。僕は塾で1クラス40人中、だいたい8番くらいでした。

――試験を経て中学校に入学し、どんな変化がありましたか。

 実は第一志望には落ちて、滑り止めで受かった中高一貫の男子校に入学したのですが、学校生活は楽しかったですね。同じレベルの子が揃うので、会話をしていても“違和感”がないんです。いわゆる賢い子というのは、例えばプランA・プランBという2つの意見があったときに、“属人的”に考えない。合理的、総合的に判断する能力が高いんです。“属人的”に考えるというのは、プランAは誰が言ったか、プランBは誰が言ったか、と“誰”が言ったかを重視する。そして「嫌いなヤツが言うことだから、そのアイデアは嫌だ」などと言う。そういうのがなかったのがありがたかったですね。

「自分探しは18歳までにしておけ」

――大人になって、中高一貫校に行って良かったなと思うことはありますか。

 僕の場合、中高一貫校だからというよりも、寮制だったので、テレビや恋愛、通信機器などと無縁。ある程度“遮断”された生活だったため、内省をする時間が多かったのは、良かったと思います。自分はこういうことが好き、嫌い、得意、苦手ということをずっと考えていました。

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