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ミスできない相続の家族会議 “議長”より重要なのは会場と議事録作成者

相続会議中の進行に関して決めておくべきこと

 いくら相続対策を学んでも、実際に役立てるには親や兄妹と話し合わなければ意味がない。しかし、「家族で話し合う」というただそれだけのことが、相続となると途端に難しくなる。親、兄妹、その他の親族、さまざまな立場の思惑や心情、そして打算が絡み合うからだ。だからこそ家族会議を開き、全員の合意を得る必要がある。

 では、実際の家族会議はどのように進めていけばいいのか。ここで迷走すると、生前から兄妹間で争いが始まってしまうリスクが生じることになる。

会議を開くのは親の家か、子の家か

 開催が決まったら、次は会場設定である。これが意外に難しい。たとえば、長男の家で開催するとなれば、その妻が話し合いで長男に加勢して有利になりかねない。一方、“アウェー”となる次男らは“お客”としての遠慮が生じやすい。

「公平さを担保する意味では、親の家で開くのが無難です。預金通帳や所有する不動産の資料などが必要なときにすぐに探せるというメリットもあります」(まこと法律事務所代表・北村真一弁護士)

 ただし、親が子供の誰かと同居していると、“長男の家”と同じ状況になってしまう。

「フェアな環境で会議をするということが重要。家族全員にとって中立的な場所として貸し会議室などで行なうという手もあります」(心理学者の富田隆氏)

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