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ミスできない相続の家族会議 “議長”より重要なのは会場と議事録作成者

 喫茶店など飲食店で開く場合は、あとで「周りに他人がいたので言えなかった」とクレームがつくのを防ぐために、なるべく客が少なくて落ち着いたところを選ぶのが良い。

「人は空腹だと気が立って攻撃性が高まりますが、食事をすると落ち着きます。飲食店で開催する場合は、食べている間は雑談をしながら場を和ませ、食べ終わってから本題に入ると話がまとまりやすくなるかもしれません」(同前)

議事録は誰が作るのがいいか

 会議の司会進行は長男が務めるとスムーズになることが多いという。

「議事録をまとめるのも長男が良いと思います。今でも高齢の方は年次を大切にする人が多い。長男が仕切るのが苦手な性格でも、兄妹が『私たちがバックアップするから大丈夫』とサポートしてあげることが、会議を円滑に進めるコツです」(『相続で家族がもめないための「生前会議」の開き方』著者で、公認会計士・税理士の五十嵐明彦氏)

 会議後には決定事項をまとめた議事録を、出席者全員に送付して共有することも大切だ。

「詳しい人」が仕切ろうとしたら

 困るのは、たとえば長男が普通の会社員で、次男が法律職だったりした場合である。「自分は相続に詳しいから」と乗り出してくれば、任せたくなる気持ちもわかる。「次男の妻が法律に詳しい」という場合も同様の事態が起こり得る。

「制度に詳しかったり、弁が立つ人が仕切ると、会議がその人にリードされかねない。そういうときは『専門知識がわからないまま進むのは困るから、一番詳しくない人に合わせたい』と合意を取ることが大切です」(富田氏)

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