田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国本土株が底打ちの兆し 理財商品の規範化に金融株が反応

 多くの市場関係者は、「資産管理に関する新たな細則が発表されたことで、市場は理財商品の相対的な資金吸引力が高まり、市場流動性が刺激されるなどの効果が期待できる」といった分析をしている。

 銀行の理財商品は、株式で運用される部分が大きく、その規範化は株式市場にとってポジティブである。今年は年初からの当局による金融リスク縮小政策の加速によって、銀行は理財商品の販売を拡大しにくい状態に追い込まれていた。そうした中で、資産管理に関する新たな細則が明らかになったことで、今後の業務拡大に期待が持てるようになったということだ。

 発表は大引け後だが、それを事前に知り得た大手金融機関が買いに入った可能性がある。この日後場の相場を牽引したのは金融株である。相場の動きとぴったりと符合する。

 23日の上海総合指数は安寄りしたものの、積極的な買いが入ったことで上昇に転じ、大引けでは1.07%高で引けている。

 この日の寄り付き前に注目を集めたのは、長春長生生物科技(002680)による狂犬病ワクチン生産に関する記録捏造事件である。事件自体は2週前に発覚、前週は5日間連続でストップ安となっていたが、22日夜間、国家薬品監督管理局はこの件を公安機関に移送し、刑事事件として追及することになったと発表した。

 さらに、李克強首相があらゆるワクチンの生産、販売、流通に関して徹底的に調査するよう指示したと23日早朝のマスコミが伝えると、バイオ医薬関連セクター全体に影響が出るとの見方が広がり、関連銘柄が売られ、相場全体が売り一色といった状態で寄り付いた。

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