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ゴーン容疑の有報虚偽記載は入り口に過ぎない 地検が狙う最終ゴールは

特捜部の捜索が入った日産本社前には多くの報道陣が詰めかけた(写真:時事通信フォト)

特捜部の捜索が入った日産本社前には多くの報道陣が詰めかけた(写真:時事通信フォト)

 2010年度~2014年度までの5年間に有価証券報告書の自身の報酬を実際より過少に記載した疑いで逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長(64)。過少記載した報酬額は、5年間で計49億8700万円にのぼる。

「有価証券報告書の虚偽記載は、会社の利益や売り上げなどを偽る『粉飾決算』が多く、役員報酬の記載で立件というのは聞いたことがない」(経済部記者)

 逮捕容疑は立証のしやすい“形式犯”にしただけで、捜査機関はすでに「次」を見据えているようだ。

 そのことは日産が逮捕直後に出したリリースに「資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められた」と、別の違法行為があったと断定していることからも明らかだろう。

 ブラジルやフランスなど4か所の高級住宅を、海外の子会社が購入し、ゴーン容疑者は私的に利用していた。また、家族旅行の費用を子会社が支払ったとも報じられた。元検事で弁護士の落合洋司氏が解説する。

「事実であれば、会社法の特別背任や、刑法の業務上横領の罪に問われ、再逮捕の可能性もある。検察当局は司法取引を通じて日産側からの全面的な協力を得ているわけですから、今後さらに不正の証拠が出てくることが考えられる」

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