田代尚機のチャイナ・リサーチ

ファーウェイ・ショック、ソフトバンク上場にも影響必至か

ファーウェイ(華為技術)ショックはどこまで波及するか(Imaginechina/時事通信フォト)

 ソフトバンクグループの株価が下落している。12月10日の終値は8616円で、3日終値と比べると▲10.7%下落している。同じ時期の日経平均株価の下落率▲6.0%と比べ、下げ幅が大きいが、これは、6日に発生した通信障害に加え、いわゆるファーウェイ(華為技術)ショックによる影響が出ているからであろう。

 12月1日、カナダ当局はバンクーバーで華為技術会長の娘である孟晩舟CFOを拘束した。複数のマスコミが「これはアメリカの要請に基づいた逮捕であり、アメリカは彼女の身柄引き渡しを要求している。彼女はアメリカのイランに対する制裁禁止措置に違反したからだ」と伝えている。

 アメリカでは8月、国防権限法が成立、政府機関や政府との取引のある企業は華為技術、中興通訊(ZTE)の機器、サービスの利用を禁じられている。2社の製品、半導体にはウイルスが仕込まれており、不正傍受やサイバー攻撃に利用されているとしている。

 アメリカは同盟国に対して利用の自粛を要請していたが、日本政府も7日、両社の製品を政府調達から事実上排除する方針を決めた。これを受けてソフトバンクグループなど通信4社は10日、基地局などの通信設備について、購入を控える方針を固めたようだ。

 4G方式の基地局に関して、ソフトバンクグループは華為技術、ZTEの通信機器を採用している。2020年に本格的にサービスが開始される5Gに関しても基地局設備として2社の製品を採用するとみられていた。そのほか、IoT(モノのインターネット)サービス分野においてこの2社と商業化に向けた研究開発を共同で行っていた。

 そこで気になるのが、12月19日に東京証券取引所に上場予定の、ソフトバンクグループの通信部門である子会社・ソフトバンク株への影響だ。華為技術、ZTEとの関係見直しが初値にどう影響するのか注目される。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。