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田代尚機のチャイナ・リサーチ

日本は「世界で最も聡明な国家」と評価されても安心できない理由

日本経済の未来は明るい? それとも…

 世界の中で日本の競争力低下を指摘する意見をよく目にするが、必ずしもそうした意見ばかりではないようだ。

 イギリスのポータルサイト「Vouchercloud」は、世界で最も聡明な国家・地区の順位を発表しており、日本が第1位にランクされている。以下、スイス、中国、アメリカ、オランダ、ロシアと続く。中国の環球時報が1月14日、その内容を詳しく伝えている。

 これはノーベル賞受賞者数、国民の平均知能指数、学生の学力といった3つの基準で評価するランキングであるが、日本は、ノーベル賞受賞者数、国民の平均知能指数が第6位、学生の学力が第5位であり、いずれも突出しているわけではないが、平均して高いことから総合では第1位となった。

 一方、総合第3位の中国は、国民の平均知能指数が首位のシンガポールと僅差の第2位であったことが、総合でも高い順位に繋がった。また、アメリカがノーベル賞受賞者数では圧倒的な第1位でありながら、中国よりも順位が下である理由は、国民の平均知能指数が第28位、学生の学力が第13位と振るわなかったからである。

 だからといって、日本経済にバラ色の未来が待っているかというと、そんなことを考える人はほとんどいないだろう。実際、少し心配になる予想も出ている。

 スタンダードチャータード銀行は1月9日、2030年における世界の経済規模予想を発表した。2030年における購買力平価によって計算された世界各国の名目GDPを比べると、第1位は中国で64兆2000億ドル、第2位はインドで46兆3000億ドル、そして第3位はアメリカで31兆ドルである。

 第4位はインドネシアであるが、ずっと規模が小さくなる。名目GDPはアメリカの3分の1以下となる10兆1000億ドルである。以下、トルコ、ブラジル、エジプト、ロシアと続き、日本は9位で7兆2000億ドル、ドイツは10位で6兆9000億ドルである。

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