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年金「70歳まで繰り下げ受給」、68歳で亡くなったらどうなる?

年金の繰り下げ受給を選択して、受け取る前に亡くなったらどうなる?

 私たちの生活で、将来不安の大きな原因として挙げられるのが「年金不信」。「年金財政は破綻するのか?」と言われたら、「破綻はしないけど、受給開始年齢が遅くなったり受給額が下がったりするだけでしょ」と、若い世代の間では半ばあきらめムードも強い。

 今年は5年に1度の年金制度見直し(財政検証)が実施されるが、厚生労働省の資料などによれば、年金制度の持続のために受給開始年齢の引き上げも検討していることが明らかになっている。そうした中で、少しでも多く年金をもらうためにはどうすればよいか。現行の制度の中でよく知られているのは、「繰り下げ受給」だろう。ファイナンシャル・プランナーの横川由理さんはこう説明する。

「現在、65歳から支給される年金は、65歳より遅く受け取ることができます。これを『繰り下げ受給』といい、『0.7%×繰り下げた月数』だけ多くもらうことができます。最大70歳まで5年繰り下げると、もらえる年金月額は(0.7%×60か月で)42%も増えるのです」(横川さん)

 ちなみに、65歳より早くもらうことを「繰り上げ受給」といい、「0.5%×繰り下げた月数」だけ受け取れる年金額が減ってしまう。5年繰り上げて60歳からもらうとすると、毎月30%減った額しか受け取れない。

 長生きすればするほど、お得になる「繰り下げ受給」だが、一方で心配なのが、例えば70歳まで5年繰り下げようとしていた時に68歳で亡くなると、本来もらえるはずの年金を丸々もらい損ねてしまうのではないか、という点だろう。遺族からすれば、「65歳からもらっておけばよかった」と思ってしまいそうだ。

 しかし、横川さんは「もらい損ねることはありません」と話す。いったいなぜか?

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