キャリア

世界では「絶滅危惧種」、日本のサラリーマンの特殊性とは

「安倍政権が進める『働き方改革』とは、働き方『1.0』を強引に『2.0』にバージョンアップしようとするものです。しかし、世界の最先端の働き方はすでに『3.0』から『4.0』に大きくシフトしつつある。たとえ『2.0』までたどり着いたとしても、それではグローバルな潮流にまったく追いつけません」

 なにより日本人は、働き方「1.0」の「伽藍(タコツボ)の世界」にあまりに長く押し込められたため、疲弊し機能不全に陥っていると橘氏はいう。

「事実(ファクト)を示しましょう。日本のサラリーマンのエンゲージメント指数(『会社への関与の度合いや仕事との感情的なつながり』を評価する基準)は国際的に見て驚くほど低い。エンゲージメントが高いと仕事に対してポジティブで、会社に忠誠心を持っているとされますが、コンサルタント会社を中心にさまざまな機関が国際比較したところ、ほぼすべてで日本のサラリーマンのエンゲージメント指数は世界最低だったのです。

 こうした調査結果を見ても、『日本型雇用が日本人を幸福にした』という保守派やリベラルな知識人の主張が真っ赤なウソであることは明白です。ファクトは、『日本のサラリーマンは世界(主要先進国)でいちばん仕事が嫌いで会社を憎んでいる』ことをはっきりと示しています。

 15~64歳の日本人男性は世界でもっとも長時間労働しており、それにもかかわらず労働生産性は先進国でいちばん低く、その結果、かつて(2000年)世界2位だった1人当たり名目GDP(国内総生産)も下がり続け、2017年には欧米先進国はもちろんマカオ、シンガポール、香港などアジアの国・地域にも抜かれて世界25位まで低迷しています。このままではゆたかさで韓国(29位)に抜かれる日も遠くないでしょう」

 仕事が嫌いで会社を憎みつつも、サービス残業などで長時間労働させられるため、日本では過労死や過労自殺といった悲劇があちこちで起きている。日本型雇用は日本人を「幸福」にするどころか、むしろ「不幸」にしてきたのだと橘氏はいう。

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