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【ドル円週間見通し】インフレ指標に注視も、ドル急落は想定しにくい

インフレ関連の指標発表には注意しつつもドルは底堅い展開が予想される

インフレ関連の指標発表には注意しつつも、ドルは底堅い展開が予想される

 投資情報会社・フィスコが6月10日~6月14日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は底堅い値動きか。米国の5月生産者物価指数(PPI)、5月消費者物価指数、5月小売売上高などの主要経済指標が注目される。

 インフレ関連の指標が前回実績を下回った場合、米利下げ観測はさらに広がり、ドル売り・円買いにつながりそうだ。ただ、欧州通貨安の地合いはしばらく続くとみられており、ユーロ売り・米ドル買いが再び優勢となった場合、ドル・円相場が円高方向に大きく振れる可能性は低いとみられる。ただ、5月小売売上高は前月よりも強いと観測されており、旺盛な個人消費が高水準の国内総生産(GDP)を維持するとの思惑から株高を通じてドル高に振れる可能性はあろう。

 一方、英国の保守党は7日にメイ首相が党首を辞任後、後任選びを本格化させる。強硬派のジョンソン外相が最有力視されており、合意なき欧州連合(EU)離脱への警戒感は再び強まりそうだ。また、イタリアの財政規律をめぐる問題で、同国の連立与党内では対立が激化。欧州中央銀行(ECB)理事会のドラギ総裁はタカ派寄りの見解を示したものの、インフレの鈍化は顕著で先行きは読みにくい。英国、ユーロ圏の政治不安を背景とする欧州通貨売りは、ドル選好地合いを招く可能性がある。

 なお、懸案の米中貿易摩擦は中国側のレアアースの輸出規制が注目され、引き続き今後の双方の制裁が激化するとの見方からリスク回避の円買いが強まりやすい。ただ、同時に安全通貨のドル買いも見込まれるため、ドル急落は想定しにくい。

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