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「一億総中流時代」の終わり 現代社会を映し出す資産分布グラフ

「資産500万円未満」が5世帯に1世帯(家計資産別の世帯数の割合・2014年)

「資産500万円未満」が5世帯に1世帯(家計資産別の世帯数の割合・2014年)

「上流/下流」という格差社会から、「上級/下級」という分断社会へ──。残念ながら、これが今の日本社会の現実だ。それでは、自分の年収や資産が「普通の家庭」レベルなのか「上級」なのか「下級」なのか、全体の中でどれぐらいの「序列」にいるのか、わかっているだろうか。

 収入が多ければ、貯金に回す余裕が生まれて、資産は膨らんでいく。富める者はより豊かな「上級」に、貧しい者は資産も蓄えられずジリ貧の「下級」に──残酷だが、それが現実のようだ。さて、あなたの現在の資産は、周囲と比べて多いのか、少ないのか。2人以上の世帯の「家計資産(金融資産や不動産などすべて含める)」(別掲グラフ)を見ると、500万円未満が圧倒的に多い。実に、5世帯に1世帯が“資産はゼロに近い”のだ。

 それでは、日本の「ごく普通の世帯」の資産はどれぐらいかというと、2238万円(中央値)あたりだといえる。あなたの貯金や株式、自宅不動産などすべて合わせた資産と比べるといかがだろうか。

 ざっくり言うと、中央値の2倍(約4500万円)以上ならば「上級」、中央値の半分(約1100万円)以下ならば「下級」といっていいだろう。ポイントは、この数字には不動産も含まれることだ。都内に自宅を持っている人の多くは、上級に含まれるだろう。

 単純に、預貯金や株式などの金融資産だけで比べてみよう。政府のデータ「家計の金融行動に関する世論調査(2018年)」によると、全国平均は1430万円。年代別では20代が249万円、40代が942万円である一方、60代は1849万円となった。資産は、世代間格差が大きいことがわかる。20代では300万円以下が半数以上を占める一方、60代では1割もいない。

世帯感で資産額の差が大きい(年代別の金融資産の保有割合・2018年)

世帯感で資産額の差が大きい(年代別の金融資産の保有割合・2018年)

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