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学力が収入に直結する社会 「家の蔵書量が多いほど高学歴」は本当だった

家に本があると学歴も高くなりやすい(15才時の家の蔵書数と学歴)

家に本があると学歴も高くなりやすい(15才時の家の蔵書数と学歴)

 学歴は収入に直結すると言われている。『アンダークラス』(ちくま新書)の著者で早稲田大学人間科学学術院教授の橋本健二さんによると、30代男性では大卒の貧困率が3%なのに対し、非大卒は13.2%。30代女性では大卒が4.5%、非大卒が15.1%だという。いくら「社会に出たら能力主義だ、学歴は関係ない」と言っても、貧困率は3~4倍も違ってくるのが現実なのだ。

 もちろん読書量も、学力に影響する。「読書は心の栄養」という言葉があるように、そこから知識や知恵を得ることで豊かな心を育めるとされる。普段、あなたは他人と比べてどれくらい本を読んでいるか。次のデータと照らし合わせていただきたい。

 国立青少年教育振興機構によると、20~60代では月6冊以上の本を読んでいる人は9%、4~5冊は9.4%、2~3冊は24.8%。少なくとも1冊以上(6冊以上を含め)読んでいる人は71.8%だった。読書時間は、1日3時間以上読む人はわずか1.9%、15分以上読む人は58.5%だという。これを年代別で見ると、1日15分以上読む人は仕事や家事、育児などに追われがちな30代が最も少なく、20代の次は40代、50代、60代と年代が上がるにつれ高まった。

 読書量と学歴は相関するのか。20~39才を対象に、「15才の頃に家にどれだけ本があったか」と「大学進学率」の関係について分析したデータによると、家に10冊以下しか本がなかった人の大学進学率は22.3%。対照的に501冊以上あった人は大学進学率も77.4%とその差は歴然。

「背景には、育った家庭の経済的要因と文化的要因の2つが考えられます。まず、親の収入が多ければ本を買える経済力がある。そして本を読む親は子供に読み聞かせたり、本を読む親を見て子供にも読書の習慣がついたりするという文化的要因も挙げられます」(橋本さん)

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