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親子の「学歴再生産」、父親の大卒・非大卒は子の学歴に直結?

親の学歴と子供の学歴が強く関連する(父親の学歴と年代別の大卒者の割合・女性)

親の学歴と子供の学歴が強く関連する(父親の学歴と年代別の大卒者の割合・女性)

 来年度から始まる大学入学共通テストで導入予定だった英語の民間試験について、萩生田光一文科相が発した「身の丈」発言が大きな波紋を呼んだ。

 英語の民間試験は2回まで受けられるが、受験料が高額で試験会場も都市部に集中するため「親の経済状況によってチャンスに差がついてしまう」「地方の受験者に不利」といった指摘がされてきた。

 ところが、萩生田氏は、それは分相応でしかたがないことだと切り捨て、「教育格差」を是認するかのような態度を取った。これが猛批判され、一気に社会問題化したのだ。

 萩生田氏の発言は、図らずも、不利な状況にある家庭と地域に育った多くの子供たちが、自らの『身の丈』に合った生き方を選択することになる『教育格差社会』であるということを改めて浮き彫りにする形となった。

 どんなに本人が努力しようにも、結局は自分が生まれた「地域」や「家庭」によって人生は大きく左右されてしまう。そういわれてしまうと身もフタもない残酷な話だが、最新の研究データはそうした傾向を如実に示している。社会学者などのグループによって行われた最新の大規模社会調査(SSM調査、2015年)によると、地方よりも、都市部に高学歴者が多いことがわかっている。

 教育格差は「親の学歴」や「親の収入」にも左右される。同調査によると、「父親の学歴」と子供の学歴の関連の強さは明白だ。大卒の父親の息子は、20代では8割近くが大卒。その一方で、非大卒の父親の息子が大学を卒業するのは4割にも届かない。娘の場合も同様の傾向が見られる。

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