2019年の家電業界ではどんな商品がヒットしたのか。家電コーディネーターの戸井田園子さんは、2019年は「時産家電」「個電」の時代と分析する。
「『時短』家電を使っても、もはや時間が足りない昨今。ほったらかしで手がかからない、つまり時間を生む『時産』家電が人気でした。例えば掃除機は、任せっきりにできるロボットとそれを補完するスティックが全盛です。また、洗濯機は、まとめ洗いができて外に干さなくてもいい斜めドラムの乾燥機能付きがよく売れました」(戸井田さん、以下同)
もう1つのトレンド、「個電」とは「個人電化製品」のこと。少人数世帯が増えたことにより、従来の家族向け商品ではなく、1人や2人世帯向けの家電が開発されるようになった。
「2019年の夏はハンディファンを手に持って歩く若い女の子たちをよく見かけましたし、5合炊きながら1合だけ炊いてもおいしい炊飯器、1枚焼きのトースターも人気を集めていました。パーソナルユースで使いやすい家電が2019年はヒットのキーワードとなりました」
また、IoT(モノのインターネット)やスマート家電も非常に多く発売された。
「2018年までは家電がネットにつながるところまででしたが、2019年は家電同士がつながる、あるいは人間が指示しなくても勝手に快適な環境を作ってくれるというふうに、バリエーションが広がりつつあります。経産省もIoT家電などを展開する企業向けに補助金を出す『LIFE UP プロモーション』プロジェクトを開始し、こういった商品は今後ますます定番化するでしょう」
別掲で紹介しているのは洗濯機、冷蔵庫、有機ELテレビ、掃除機のジャンル別に、ビックカメラで2019年の売り上げ上位となった商品だ(いずれもビックカメラ調べ。メーカー生産完了品は除いて選出)。2020年はどんな商品がヒットするのか、進化を続ける家電から、2020年も目が離せない。
※女性セブン2020年1月2・9日号