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市場平均を上回る運用を目指す「スマートベータ型ETF」とは

2016年6月9日 16:00

 2013年に日銀が大量に購入したことで関心を集めているETF(上場投資信託)。機関投資家を中心に年々取引量が増えており、投資信託と比べて運用コストが低めなこともあり、個人投資家の取引も伸び、マーケットは拡大傾向にある。

 なかでも最近、米国市場を中心に注目を集めているのが「スマートベータ型ETF」というもの。2015年6月末時点のスマートベータ型ETFは、全世界で800本以上存在し、純資産残高も約5000億米ドルに迫る勢いだ。世界最大のETF市場である米国では、スマートベータ型ETFがETFの純資産残高全体の約2割を占め、2015年は前年比で24.5%と市場が拡大した。

 日本においても、数年前よりスマートベータ型ETFが登場しており、現在では約20銘柄が上場している。2016年に入って東京証券取引所に5本のETFが新規上場しているが、そのうち4本がスマートベータ型ETFだ(2016年5月末時点。「JPX日経400」および「JPX/S&P設備・人材投資指数」に連動するETFを含む)。

 このスマートベータ型ETFとは、いったいどのような商品なのか、東京証券取引所の上場推進部主任の杁山知之氏が解説する(以下、「」内同)。

「ETF自体は、一般的に指数に連動した値動きを目指す上場投資信託です。指数というと、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価(日経225)など市場全体の平均や値動きを表す指数が一般的ですが、スマートベータ型指数は財務指標(売上高、営業キャッシュフロー、配当金等)や株価変動率といった特定の要素に基づいて構成されています。スケールやテーマを絞ってさらに銘柄を厳選することから、理論上、期間によっては市場平均以上のパフォーマンスを期待することができると言われています」

 そうした点が注目されて、国内外の機関投資家の間での投資量が増えているようだ。では、従来型金融商品と比べて、どのような位置付けなのだろうか。

「スマートベータ型ETFは、従来のETFとアクティブ運用型の投資信託の中間的存在として位置づけると分かりやすいでしょう。アクティブ運用型の投資信託が、ファンドマネージャーやアナリストの経験則をメインに銘柄選定を行う一方、スマートベータ型ETFは統計手法に基づき“定量的”に銘柄選定や組入比率の決定を行う点で異なります」

 スマートベータ型指数の算出方法はいくつかある。企業の収益性を表すROE(株主資本利益率)や財務レバレッジ(総資産÷自己資本)といった「クオリティ」で配分する方法、構成銘柄のボラティリティ(変動率)を最小化するように指数の構成銘柄選定や比率調整を行う方法などだ。そのうち「米国では特に配当に着目したスマートベータ型指数(高配当銘柄で構成される指数など)に、人気が集まっています」という。

 日経平均などの伝統的な指数に比べると運用や管理に手間がかかる分、スマートベータ型ETFの運用コストは従来のETFより幾分か高くなる。期間によっては市場の平均以上のパフォーマンスを得ることができない場合もあるが、市場の平均値に連動するETF以上のパフォーマンスを目指す投資家にとっては、魅力的な商品のひとつだろう。

 スマートベータ型ETFの存在感が世界的に高まっているなか、今後日本のETF市場においても重要なポジションを確立していくかもしれない。
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