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母子家庭の24%しか養育費を受け取れない現実

所得の分布状況は“貧困”が過半数

所得の分布状況は“貧困”が過半数

考えられる受け取り率が低い原因

 問題はそれだけではない。いくら養育費の増額が決まったとしても、“受け取れていない”のだ。『平成28年度全国ひとり親世帯等調査』(厚生労働省)によると、母子世帯で「現在も養育費を受けている」と回答したのは24.3%。実に4人のうち3人は受け取れていない(父子世帯でも「現在も養育費を受けている」のはわずか3.2%で、「養育費を受けたことがない」も86%)。

 受取率が低い原因はいくつか考えられる。1つは、離婚時に養育費の取り決めをしていないこと。日本では、充分な話し合いとその後の養育に関する取り決めがなくても離婚が成立する協議離婚が圧倒的に多い。『平成28年度全国ひとり親世帯等調査』でも、養育費の取り決めをしている母子世帯は42.9%で、父子世帯だと20.8%。養育費不払い時にいざ回収しようにも、取り決めがないと、強制執行をすることができないという弱点がある。

 次に、相手の経済状況と金額が見合っていないこと。2018年の国税庁の調査によると、平均所得金額は551万6000円となっているが、その内訳を見ると、世帯収入0~400万円台が過半数を占めていることがわかる。払える能力がなければ、本来回収できる養育費も受け取れない。

 そして、時効。民法では、支払いの取り決めは定期給付債権とされ、消滅時効の期間は5年となる(民法169条)。一度養育費の取り決めをした後に相手が払わなくなった場合、5年を経過すると、それ以前のものは消滅時効となってしまう。

※女性セブン2020年2月13日号

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