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退職金受給の申告書 出し忘れると100万円単位で持っていかれる

退職金で確定申告しないと大損も

退職金で確定申告しないと大損も

 2月17日から確定申告の受付が始まるが、特定のシチュエーションにおいて“取り戻せる税金”が生じることがある。それを見逃さないように注意しなくてはならない。

 その一例が年度途中に会社を退職したケースだ。『あっという間にかんたん確定申告』の監修者で税理士の山本宏氏が指摘する。

「通常、会社は所得税の見込み額を給料から天引きしておいて、年末調整で正しい税額に整えます。しかし年度途中で退職すると年末調整がなくなり、見込み額のまま所得税を払い過ぎている可能性が生じます」

 山本氏によれば、仮に前年の年収が600万円の人が年の途中の6月末に退職、その後、半年働かなかったケースでは、7万円を超える税金の過払いが発生するという。

「この場合、確定申告をして社会保険料控除や配偶者控除などを受ければ、過払い分が還付されます。申告しなければ、払い損になります」(山本氏)

 また、長く勤めた会社を定年退職する時は多額の退職金を受け取るが、その手続きにも注意すべき点がある。

「退職前、勤務先に『退職所得の受給に関する申告書』を提出すると、退職金を一括でもらう際に退職所得控除が適用され、ほとんどの場合で所得税がかかりません。しかし申告書を提出していなければ一律20.42%という高い税率で源泉徴収されてしまうのです」(山本氏)

 仮に退職金が1000万円の場合、申告書を出し忘れると源泉徴収は約200万円に達する。

「勤続年数にもよりますが、一般的な定年退職者であればこの場合、確定申告することで200万円全額を取り戻せます。ただし、還付されるまでに時間がかかります」(山本氏)

 額が大きいだけに、見落とすことのないようにしたい。

※週刊ポスト2020年2月14日号

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