投資

株主総会もコロナで変化 投資家に「来ないで」要請、お土産とりやめ

株主総会の招集通知には「来場を見合わせ」「お土産はとりやめ」などの文言が並ぶ

 6月中旬から下旬は、3月決算企業の株主総会が集中するシーズンだ。株主総会は最低単元しか持っていない個人株主でも、経営陣の話を直接聞いて質問できる貴重な機会である。企業によっては出席した株主にお土産を渡したり、商品やサービスに関する展示や割引販売を実施したり、懇親会を行うところもあり、総会への出席を年に1度の楽しみとしている個人投資家も少なくない。

 しかし、2020年はコロナウイルスの感染拡大で株主総会が様変わりしようとしている。企業は株主に対し、「来ないで」というアピールに必死なのだ。

 たとえば、ソフトバンクグループ(9984)は、カリスマ経営者である孫正義氏が力の入ったプレゼンテーションを披露するとあって、例年多くの株主が訪れる大人気総会のひとつ。いつもは5000人以上を収容できる東京国際フォーラムホールAで開催している。

 ところが今年の会場は、同社が拠点とする汐留ビルディングでの開催となる。さらに、招集通知には「ご来場自粛のお願い」として、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、株主総会会場へのご来場はご遠慮くださいますようお願い申し上げます」と赤字で大きく記されている。さらに、「議長を含めすべての出席役員は、ウェブ会議システムを通じた遠隔からの出席となり、来場いたしません」とあり、会場に足を運んでもそこに孫社長がいるわけではないのだ。今回は巨額の赤字を計上した直後の総会とあって、孫社長の説明を生で聞きたい株主も多かったと考えられるが、それは叶わないことになった。

ソフトバンクの株主総会の招集通知

 ソフトバンクのように企業側の出席者までテレワークという例は珍しいが、多くの企業が、招集通知に来場自粛と郵送やインターネットでの議決権行使を呼びかけており、会場を外部のホールやホテルではなく、本社会議室とするような対応をとっている。また、議案の説明を省略したり、株主からの質問を制限するなどして総会の所要時間短縮を図ると案内している企業もある。例年であれば事業に関する展示をしたり、飲み物をサービスする企業も多いが、多くはとりやめだ。

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