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進まぬ男女共同参画は「自民党政権の負の歴史」 期待が裏切られた内実

男女共同参画が進まない状況をどう分析するか(自民党・三宅伸吾参院議員。撮影/平野哲郎)

男女共同参画が進まない状況をどう分析するか(自民党・三宅伸吾参院議員。撮影/平野哲郎)

 先進国の中でも、極めて“男性優位”となっている日本の社会。それは政治の世界を見ても明らかで、菅内閣の女性閣僚はわずか2人で、副大臣は25人中3人。若手政治家の登竜門である政務官も女性は27人中3人しかいない。閣僚や副大臣クラスだけでなく、女性議員そのものが極端に少ない現実がある。

 スイスに本部のある国際団体「列国議会同盟」がこの3月に公表した報告書では、国会(二院制の場合は下院に相当する議会、日本では衆議院)に女性議員の占める割合は、2020年に世界平均で25.5%に達した。しかし日本はわずか9.9%で、世界166位だった。

 地方議会においては“男性優位”がさらに顕著で、いまだに3割以上の町村議会が女性議員ゼロだという。

 男女共同参画も進んでいない。1986年に男女雇用機会均等法が施行され、女性の社会進出はようやくスタートラインに立った。バブル経済の崩壊で経済が停滞し、サラリーマンの給料が上がらなくなった1990年代には、多くの女性が専業主婦ではいられなくなり、働く女性が増加した。

 こうした流れのなかで、女性の地位向上を求める声が高まり、2003年に当時の小泉政権が「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」との政府目標を掲げた。

 しかし、いままで17年という時間の余裕があったにもかかわらず、目標達成はかなわなかった。

 2020年に当時の安倍政権は、「2020年代の可能な限り早期に30%程度」と目標の先送りを決定。安倍政権で官房長官だった菅義偉首相(72才)は、当初の政府目標を達成できなかったことについて、2月15日の衆院予算委員会で「率直に反省すべきだと思う」と陳謝した。

「これは自民党政権の負の歴史です。恥ずかしい思いです」と語るのは、自民党広報本部の三宅伸吾参院議員(59才)だ。

「達成できなかった根本的な理由は、『家事育児や両親の介護は女性の役目』といった、伝統的な価値観やその慣性が日本社会に根強く残っているからだと思います」

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