戸松信博の明日の爆騰株を探せ!

エスペック:好ファンダメンタルを評価し株価の反発に期待したい

エスペック(6859):市場平均予想(単位:百万円)

エスペック(6859):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 エスペック(6859)は、環境試験器で国内60%以上、世界30%以上のトップシェアを誇る機械メーカーです。

 環境試験器とは、温度や湿度、気圧、圧力、光、振動、さらには電磁波など、さまざまな環境を人工的に再現し→その環境因子が機器に及ぼす影響を分析→品質や耐久性を確認する装置です。真夏でも真冬でも自動車が安全に動き、ジャングルや雪山でもスマートフォンが使え、急激に気圧が変化する航空機にPCを載せても問題なく使える。このようにどのような環境でも、機器が故障することなく、その機能が十分に発揮できるのは、「環境試験」を行っているからです。

 つまり環境試験は、あらゆる機器の開発・製造段階で欠かせない、いわば「製品化への関門」。同社はこの絶対需要のある「環境試験器」で世界トップシェアを誇り、メーカーの製品開発や次世代技術開発の恩恵を大きく享受できる立場にあります。

注目ポイント

 足元業績は好調です。売上が減少している点でパッと見た目は良くないのですが、これは業界全体にわたるサプライチェーンによる影響で出荷が遅れているためです。実際の需要は旺盛で、受注高は66%増と高い伸びを記録しています。環境試験はあらゆるメーカーの製品開発に必要不可欠なプロセスで、製品開発の活発化を追い風に今後も需要拡大が予想されます。

 同社は、60年にわたって世界をリードする技術・製品を持つトップメーカーであり、市場の恩恵を大きく享受できる立場にあります。同社の場合、トップポジションの優位性だけではなく、新製品開発を積極的に行ってさらなるシェアを獲得していこうとする姿勢も評価されるところと思います。

 長年に渡って積み上げられた信用力・強い顧客基盤による収益安定性と利益により、財務状況も優秀です。有利子負債は3億6000万円ありますが、これは自己資本の1%程度に過ぎません。さらに134億円のキャッシュを保有しているというキャッシュリッチな構造。自己資本比率は76.1%、流動比率3.6倍という盤石の財務となっています。

 株価ですが、12月に入って調整しており、200日線にタッチしたところです。もちろん株式市場全体の調整や経済動向に左右されるのですが、現状需要環境には変化なく、ファンダメンタルの優秀なところを評価すると反発が期待できるのでは、と思います。中期的な上昇を配当を得ながら待つことができるのも魅力。配当利回りは2%台後半まで割安感が出ているのも投資妙味あると思います。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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