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もしも孤独死したらどうなるか? 遺体の引き取り、葬儀、相続の疑問に答える

ひとりで最期を迎えたら、遺体の引き取り手はどうなる?(イメージ)

ひとりで最期を迎えたら、遺体の引き取り手はどうなる?(イメージ)

 日本は核家族化が進み、独居老人が増えている。それに加え、「新型コロナに感染させたくない」という気遣いから近隣住民や家族と会わず、ひっそりと高齢者が亡くなるケースが目立っているという。いまや、孤独死は誰にでも起こり得ること。もし、あなたや親、家族が孤独死したらどうなるのだろうか──。

 内閣府がまとめた「令和4年版高齢社会白書」には、東京23区内における「ひとり暮らし」かつ「65才以上の人の自宅での死亡者数」が報告されている。それによれば、2011年は2618人だったが、9年連続で増加し続け、2020年には4238人に。その数は1.6倍になっている。

 もし孤独死した場合、遺体はどう扱われ、どう葬られるのか。また、残した財産などの手続きはどうなるのだろうか。弁護士で『孤独死をめぐる法律と実務』の著書がある武内優宏さんが解説する。

「自宅で亡くなった場合、不審死として扱われ、遺体はまず警察署の霊安室に運ばれます。事件性がないと判断されると、警察は親族など遺体の引き取り手を捜します」

 遺留品からたどり着くこともあれば、戸籍などで調べることもあるという。親族がいれば引き取ってもらい、火葬・葬儀を行うケースが多い。

「誰も引き取ってくれない場合、自治体が提携する葬儀社に依頼して火葬となりますが、費用は遺留品を処分するなどして充当することになっている。当座は自治体が立て替えて扶養義務者や相続人に請求することになっていますが、実際には自治体負担が多いようです」(武内さん・以下同)

 家族や親族でも、突然自治体から疎遠だった人の遺体や遺骨の引き取りを要請されても、引き取りたくない場合もある。

「かなり遠い親戚でも、連絡がくることは充分に考えられます。しかし、遺体や遺骨の引き取りは拒否もできます。もちろん、きちんと見送ってあげたければ、引き取ることも可能です。遺骨が引き取られない場合、自治体によっては無縁墓に合祀されます」

 実際、ほとんど会ったこともないような親族の遺体引き取りを要請されるケースもある。

「私の担当したケースでは、6親等も離れている人に連絡がきたケースがありました。いとこが4親等ですから、それよりさらに2つも遠い関係。そのケースでは、警察の要請に応じて遺体を引き取り、自費で手厚い葬儀を行いました。法定相続人になるのは甥や姪までなので、遺体を引き取っても相続人にはなれません。遺体を引き取り葬儀まであげたのに、故人の遺産は国庫に帰属してしまいます」

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