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川辺謙一 鉄道の科学

三線軌、改軌、フリーゲージトレイン…「軌間」が異なる鉄道で直通運転を可能にする工夫

2種類の軌間に対応した「三線軌」の分岐器

2種類の軌間に対応した「三線軌」の分岐器

 鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人々の知的好奇心を刺激してくれる。交通技術ライターの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第7回は「レールの軌間(ゲージ)」について。

2本のレールの間隔には種類がある

 一般の鉄道(モノレールや新交通システムなどを除く普通鉄道)では、線路に2本のレールが一定の間隔を空けて敷かれています。

 このレールの間隔のことを「軌間(きかん)」または「ゲージ」と呼びます。厳密に言うと、「軌間」は、左右のレールの頭部(車輪と接する部分)の最短距離を指します。

左右のレールの頭部の最短距離を「軌間」と呼ぶ

左右のレールの頭部の最短距離を「軌間」と呼ぶ

「軌間」には種類があります。たとえばJRグループで言うと、新幹線は1,435mm、在来線は1,067mmを採用しています。日本の民鉄(私鉄)では、1,435mmや1,372mm、1,067mm、762mmという4つの種類の「軌間」を採用しています。

 なぜ「軌間」には種類があるのでしょうか。なぜ「1,435mm」などという数値が中途半端な「軌間」が多く存在するのでしょうか。今回はその謎に迫ってみましょう。

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