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「高い費用を払ったのに孤立して…」老人ホーム生活に“馴染める人”と“嫌われる人”の差

自分に合う施設をどう探すか(イメージ)

自分に合う施設をどう探すか(イメージ)

 誰もが考えるであろう老後の暮らし。自宅が安らぎの場なのは言うまでもないが、住み慣れた自宅ではなく高齢者施設を“終の棲家”とするのも1つの選択肢だ。特別養護老人ホーム(特養)の利用者は約61万人、有料老人ホームが約53万人、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が約24万人などいずれも右肩上がりで増えている(厚労省「高齢者向け住まいの今後の方向性と紹介事業者の役割」より)。

 どんな施設を選ぶかで、家族に残せる資産も変わる。介護付き有料老人ホームなら数百万円の入居一時金や数十万円の月額利用料がかかることもある。しかし、高い費用を払ったのに、“施設に馴染めない”というケースは少なくない。ケアタウン総合研究所所長の高室成幸氏が言う。

「老人ホーム生活で失敗する人のパターンとして、“自分は大企業の部長だった”“中学校の校長だった”など、過去の自分を引きずり、縛られている人が多い。スタッフを会社の部下のように“おい君!”などと呼びつけ、上から目線で接してしまう。他の入居者にもそんな調子だから、そのうち誰からも相手にされず孤立してしまうのです」

 現役時代の見栄や虚勢を捨て、等身大の自分に合った施設を探せるかが重要になるという。

「昔の肩書きに見合うようにと無理して高級で豪華な施設に入居した結果、思ったより長生きして資金がショートしてしまい、最晩年に慌てて費用が安い特養を探すハメになるといった例は多数あります。世間体を気にせず自分と向き合い、施設のスペックよりスタッフの人柄やアットホームな雰囲気を優先して選ぶことが大切です」(高室氏)

施設選びが「複数回」になる可能性も

 そうやって自分に合う施設を探すには、見学はもちろん、「できればお試し入居をするのが望ましい」と高室氏は続ける。

「施設によっては併設するショートステイなどに泊まらせてもらえます。1週間くらいの体験入居をすると夜間の人員体制などもわかる。サービス内容に自信のないホームが何かと理由を付けてお試し入居を避けることもあるので、その対応ぶりも判断材料になります」

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