*11:07JST リソー教育 Research Memo(7):第三者割当増資の実施により財務基盤が拡充、M&A含めた成長投資に投下
■リソー教育<4714>の業績動向
3. 財務状況
2025年2月期末の財務状況を見ると、資産合計は第三者割当増資により3,383百万円を調達したことを主因に、前期末比4,013百万円増加の22,109百万円となった。主な変動要因として、流動資産では現金及び預金が3,491百万円増加したほか、営業未収入金が119百万円、前払費用が108百万円それぞれ増加した。固定資産では有形固定資産が122百万円、投資有価証券が117百万円それぞれ減少した一方で、無形固定資産が167百万円、敷金及び保証金が194百万円、繰延税金資産が163百万円増加した。
負債合計は前期末比463百万円増加の10,075百万円となった。未払法人税等が111百万円減少した一方で、契約負債が147百万円、退職給付に係る負債が306百万円それぞれ増加した。純資産は同3,549百万円増加の12,034百万円となった。配当金1,543百万円を支出した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,743百万円を計上したほか、第三者割当増資等により資本金が1,700百万円、資本剰余金が1,708百万円増加した。
経営指標を見ると、自己資本比率は第三者割当増資もあって前期末の46.3%から54.1%に上昇した。無借金経営で手元キャッシュも90億円弱まで積み上がるなど、財務基盤は一段と強化されたと言える。なお、第三者割当増資によって調達した資金については、新規事業となる「こどもでぱーと」の開設に伴う設備投資(新規教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)や2027年にヒューリックグループが開業する「MITAKE Link Park(渋谷)※」内に設立される創造文化教育施設(美術館、図書館等)の設備投資資金(敷金、内装工事、デザイン料、初期費用等)、DX戦略推進費用(各グループの顧客データベース統合費用、顧客接点となるアプリケーション開発、教室ネットワーク整備費用等)などに充当するほか、戦略的M&A資金としても活用する方針である。「こどもでぱーと」の設備投資資金については、2028年春までに開業が見込まれる10棟分(検討中含む)の設備投資総額2,291百万円のうち、既に調達済みの1,000百万円を差し引いた額となっている。
※ 東京都と渋谷区が実施する「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業」の開発事業者としてヒューリックが選定され、地下2階、地上14階建ての複合ビルの開発を進めている(敷地面積9,670平方メートル、延床面積50,000平方メートル)。事務所、店舗、賃貸住宅、創造文化教育施設、多目的ホール等が入る予定。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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