「ぶつかりおじさん」に戦々恐々(イメージ)
近年社会問題となっているのが、駅構内や路上において、通行人に体当たりをしてくる男性の存在だ。ネット上やメディアでは「ぶつかりおじさん」「ぶつかり男」などと呼ばれ、暴行事件として逮捕に至るケースもある。
今年7月、ある女性ネットユーザーがXに、《ぶつかりおじさんに転ばされて頭を打った時に助けてくださった皆さま、犯人を捕まえてくださった皆さま、ありがとうございました。楽しい1日になるはずが申し訳ございません》と投稿し、ネット上で大きな話題となった。東京ドームでのコンサートを観覧していたというこの女性は、退場時に“ぶつかりおじさん”による被害で転倒して頭部を打ち、病院で治療を受けたという。
また、今年4月から5月にかけては、福岡県の大学准教授の50代の男が、暴行罪で3度にわたり逮捕されている。男は通勤中の路上で、通行人とのすれ違いざまにバッグをぶつけていたという。この事件は、複数のメディアで“ぶつかりおじさん逮捕”と扱われた。だが、“ぶつかりおじさん”という呼称では、その悪質さが伝わらないという声も出ている。被害に遭ったことがあるという女性たちに話を聞いた。
小柄な女性は「日常茶飯事」
ネット上で頻繁に話題となる「ぶつかりおじさん」。そのターゲットになりやすいのは、主に女性だ。埼玉県在住で都内の企業に毎日通勤するAさん(20代女性)は、「日常茶飯事」だと明かす。
「私は身長が150cmに満たず、小さいので特に人混みでは視界に入らないのか、よくぶつかられます。ただ、なかには明らかに故意にぶつかられることも多いです。たまたま目に入らなかったというレベルではなくて、絶対に私がいるとわかっているのに、“見えていないフリ”で突撃してこられたり、後ろから追い越す時も、体の半分ぐらいぶつけてきたり……。被害に遭う場所は、駅のホームや階段、電車の乗り降りの瞬間ですね。体当りしても混雑していて私が追ってこないとか、逃げ切れるとか思っているんじゃないでしょうか」
対応策としてAさんは、「なるべく1人で人混みに行かないようにする、駅のホームではなるべくベンチに座る、乗り降りは人と距離を取るなどで自衛するしかない」と言う。