テンバガー投資家X氏の投資パフォーマンスが大きく向上したきっかけは?(写真:イメージマート)
5年8か月で運用資産561万円から10億円へと約178倍に増やした兼業投資家、テンバガー投資家X氏は2019年に「IPO(新規公開株)セカンダリー投資」という投資手法に出会ったことで、投資パフォーマンスが大きく向上したという。IPO銘柄を上場後に購入する「IPOセカンダリー投資」に注目し、取り入れたきっかけは何だったのか。
失敗続きの投資から脱して「億り人」になったテンバガー投資家X氏。自身のような本業の仕事や子育てで忙しい個人投資家でも株式投資で成果を上げられるノウハウを公開した著書『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して紹介する。
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いくら興味を持っていても、抽選に当たらなければ参加すらできないのがIPO投資です。せっせと応募し続けても落選ばかり、やっと当たったと思ったら公募割れという結果が続いて意気消沈していたころ、たまたまネットメディアで見かけたのが、個人投資家で人気ブロガーでもある弐億貯男さんのインタビュー記事でした。
弐億さんは会社員として働く兼業投資家です。投資にあまり時間をかけられない彼ですが、そのハンドルネームの通り、2億円の資産を40代で築くことに成功しました。それを実現した手法のひとつが、IPOセカンダリー投資だったのです。
「1年かけて大化け候補を探し出すのは、それほど難しくない」
IPOセカンダリー投資とは、上場した後のIPO銘柄を株式市場で買って投資する手法のことです。割安に設定された公開価格でIPO銘柄を手に入れるのは、前述の通り人気が高すぎて至難の業なのですが、セカンダリー投資なら抽選に当たらなくても、上場してから株式市場で買えばいいだけなのでだれでも手がけられます。
しかも、IPOでは、たとえ当選しても100株だけということも多いのですが、セカンダリー投資なら資金額が許せば好きなだけ買うことができます。手持ちの資金が少なくても、信用取引を使えば資金の約3倍の取引もできます。その分リスクは高まりますが、それを厭いとわなければチャンスは大きく広がるのです。
IPOセカンダリー投資に強い興味を感じた僕は、試しに3年前から直近までにIPOした銘柄をすべて洗い出し、上場後の値動きを調べてみました。
すると、まだ上場してから2~3年しか経っていないにもかかわらず、すでに株価が5倍ぐらいに成長している銘柄がいくつもあったのです。たとえば2016年にIPOした銘柄の場合、アトラエ(6194)は2年で3倍以上になっていますし、セグエグループ(3968)は半年で2倍、ストライク(6196)も2年で3.6倍、フィル・カンパニー(3267)は1年で5倍近くまで上昇しています(いずれも分割考慮後)。