定年後世代による投資の場合、資産が減るリスクは極力避けたい(写真:イメージマート)
定年退職後、収入は年金のみで預貯金を取り崩しながら生活している世帯にとっては、昨今の物価上昇は大きな悩みの種だろう。ニュージーランド在住の個人投資家・成長株テリー氏は「(そうした世帯は)キャッシュを投資に回して資産を増やすべきだ」と説く。
日経平均株価が連日のように史上最高値を更新し、株高ムードに沸くなか、投資とどう向き合い、何に注意すればいいのか。成長株投資で儲けた資金をもとに不動産投資を行なうというスタイルで現在は約6億円の資産を持ち、年間5000万円ほどの不動産収入を得ている投資の達人に、定年後世代が投資をするうえで必要な心得を聞いた。投資で成功をつかみ、2012年にニュージーランドに移住した成長株テリー氏は現在64歳。来年から自身も年金受給が始まるため、老後の資産運用について考える機会が増えたという。
「(夫婦2人の標準的な)年金受給額は月23万円ほどで、それだけで生活するのはなかなか厳しい。年金生活者はまず、不要なコストを削るという意識を持つことが大事です。そのうえで、預貯金や退職金などである程度まとまったキャッシュがあるなら投資に回し、資産を増やしていくべきだと思います」(成長株テリー氏、以下同)
インデックス投資の余剰分を個別株に
定年後世代による投資の場合、資産が減るリスクは極力避けたい。まずはインデックスファンドやETF(上場投資信託)といった商品を購入することから始めるのがいい、と成長株テリー氏はアドバイスする。
「インデックスファンドやETFであれば、銘柄を選ぶ手間がかからず簡単ですし、S&P500や日経平均などと連動した商品を買っておけば手堅いと思います。また、商業施設やマンションなど複数の不動産から得られる賃貸収入や売買益を投資家に分配するJ-REIT(不動産投資信託)も分配金利回り5%を超える商品が多いので選択肢に入るでしょう。
それらで着実に元本を増やし、得られた利益分で個別銘柄を買っていくという順番がいいのではないでしょうか」
ただ、あまり投資の知識や経験がない人は、個別銘柄を買う際に“落とし穴”に嵌ってしまうケースもあるので注意が必要だという。