*07:47JST NYの視点:市場、米12月利下げ85%近く織り込む、小売売上高や雇用指標、消費者信頼感指数が冴えず
米商務省が発表した9月小売売上高は前月比+0.2%と、8月+0.6%から伸びが予想以上に鈍化し、マイナスとなった5月来で最小の伸びとなった。ガソリンスタンド、パーソナルケア用品などでの支出が指数を支えた。一方、自動車売上は4カ月間で初めて、減少。また、富裕層の消費が下支えとなっている。低所得者層では物価高、労働市場の減速により、支出を控えている兆候が見られる。変動の激しい自動車を除いた小売売上高は前月比+0.3%と、予想通り8月+0.6%から伸びが鈍化。マイナスとなった5月来で最小の伸びとなった。国内総生産(GDP)の算出に用いられる外食、自動車、建材、給油を除いたコントロールグループは-0.1%と、8月+0.6%から4月来のマイナスに落ち込んだ。夏休み明け、新学期に向けた8月の学校関連の支出加速から、急速な鈍化が見られ、7-9月期GDPのマイナスに寄与した可能性がある。
また、コンファレンスボードが発表した米11月消費者信頼感指数は88.7と、10月95.5から予想以上に低下し4月来で最低となった。ミシガン大消費者信頼感指数の11月分も過去最低となった2022年6月以来で最低を記録。特に現況は2009年来で最低を記録した。消費者信頼感は価格高騰や賃金鈍化に引き続き悩まされていることが明かになった。10-12月期のGDP成長を引き続き消費が圧迫している可能性も警戒される。12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は82%まで上昇した。
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