地域の特性をどう活かすか(Getty Images)
昨今、アニメや映画の舞台となった地域は、地元の活性化として「聖地巡礼」アピールするなど、観光資源として重要視されている。そうしたなか、中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」を運営する株式会社ココペリ代表取締役CEO近藤繁氏は、「地域の特性」を活かすことこそが大事だと提唱する。
同氏の著書『稼ぐ地方 日本のさまざまな地域で「新しい価値」を生み出す人たち』から、地域ならではの強みを活かし、成功している取り組みを紹介する。(同書より一部抜粋して再構成)。【全4回の第3回】
アメリカで見た「地域の特性」を活かした取り組み
アメリカは「合衆国」というように、州が集まってできた国です。法律は州によって異なり、「成人」の年齢も、運転免許を取れる年齢も、州境を越えれば違うということが多々あります。
また、地域によってさまざまな特性があります。カリフォルニア州は4000万人に迫る人口を抱え、ハリウッドやディズニーランドがある裕福な地域で、ビジネスも盛んです。そこから少し内陸に入ったアリゾナ州は、人口はカリフォルニアの5分の1以下の740万人あまりですが、グランドキャニオンのような雄大な自然が豊かにあります。
アメリカの多様性は、その成り立ちも関係しています。いまでもアリゾナ州などには、ネイティブアメリカンの自治区があります。植民地として管理するのではなく、形としては本人たちで自治をしています。
また、四方を海に囲まれた日本とは異なり、他国と接しているという点も、多様性を生み出している大きな理由でしょう。私が以前、アメリカに留学したときに住んでいた、カリフォルニア州南部のサンディエゴは、メキシコとの国境近くの街で、印象ではアメリカ人よりメキシコ人のほうが多いくらいでした。スペイン語が日常的に飛び交い、当時は簡単にメキシコに入国することができました。
アメリカは、それぞれに異なる「地域の特性」を活かした街づくりができているところも多いと思います。たとえば、サンディエゴから北東に100kmほど、ジュリアンという人口1700人あまりの地区は、「アップルパイの村」と呼ばれて賑わっていました。そこに行っても、本当にリンゴ畑とアップルパイ屋しかありません。みんな車の中で何時間も待って、アップルパイだけを食べに来るのです。
いいリンゴが獲れるから、「アップルパイの村」をつくる。アップルパイがおいしいから、人がどんどん集まってくる。このシンプルすぎるくらいの街づくりに、当時の私は感銘を受けました。
