神奈川県「発展する駅」ランキングの上位を占めた「南武線」の魅力とは(写真:イメージマート)
沿岸部の巨大工業地帯から中心部の大規模商業施設など多様な顔を持つ神奈川県川崎市。近年は大型タワーマンションが建ち並ぶ武蔵小杉を筆頭に、住宅地としての人気が高まっている。東京方面と横浜方面にアクセスしやすい川崎エリアには、現在、6社・14路線(東海道新幹線を除く)・55駅が運行中。それらを結節するように東西を横断するのがJR南武線だ。今後も人気の住宅地としての魅力は続くのか。
それを考えるうえで重要なのが、未来の不動産価値だ。物件価格は立地に加え、売買時の不動産市況などによって決まるが、将来的に「価値が上がるか、下がるか」を見通すうえでは、そのエリアの「将来人口」予測が参考になる。
今回、マネーポストWEBは、不動産コンサルタント会社リーウェイズ協力のもと、約5億件の物件データを扱うAI分析を用いて駅ごとの将来人口の増減を算出(ベースとなるのは国土技術政策総合研究所が2024年に公表した『将来人口・世帯予測ツール』)。10年後の予測人口の増減数が多い順に並べて川崎市の“10年後に発展する駅”をランキング化した。それにより、人気の川崎市内のなかで「どの駅」が発展しそうかが見えてくる。
乗り換えは縦横無尽
マネーポストWEBでは神奈川県全体を分析した「発展する駅」ランキングも作成して記事化したが、その上位を占めたのが南武線の駅だった。それらはいずれも川崎市に位置しているため、当然、川崎市のランキングでも武蔵新城(1位、3953人増)、向河原(2位、3519人増)、鹿島田(3位、2565人増)など、上位を南武線が占めている。
南武線の魅力とは何か。不動産市場に詳しい株式会社さくら事務所取締役副社長COOの山本直彌氏は「乗り換えの利便性」とともに「住環境の良さ」を挙げる。
「そもそも、駅周辺が人口減少に転じるところが少ないのが川崎エリアの強みです。都内のベッドタウンとして独自の経済圏を持ち、かつ、横浜の経済圏にもアクセスが良いため、基本的なニーズが高い。南武線の主要駅だけを見ても、武蔵小杉(5位、2368人増)、川崎(36位、894人増)、武蔵溝ノ口(20位、1611人増)、登戸(56位、254人減)と複数あり、縦横無尽に様々な路線に乗り継ぐことができます。
川崎市ランキングの上位に入った『武蔵新城』、『向河原』、『武蔵中原』(9位、1989人増)などは都心などへのアクセスが非常に良い一方で主要駅に比べて不動産価格がまだ比較的落ち着いています。周辺は非常に閑静で、等々力緑地などの大きな公園があるうえ、買い物などの利便性も非常に高い。穴場と言えるでしょう」
山本氏が特に注目するのが武蔵新城と武蔵中原だ。
「武蔵新城駅周辺には、活気のあるアーケード商店街がいくつもあって充実しており、雨の日でも買い物がしやすく生活利便性が非常に高い。また、南武線の始発列車がある武蔵中原は座って通勤できる利点があるうえ、1駅移動すれば武蔵小杉、少し先に行けば川崎に出られる。それでいて落ち着いた住環境と生活のしやすさを兼ね備えた街なので、ファミリー層にとって好条件が揃っていると言えます」
そうした住みやすさは、市内を走る他の私鉄路線などにはない南武線ならでは特徴があるからだという。
川崎市は南武線以外にもJR東海道本線や小田急線、東急田園都市線、京急本線など多数の路線が走っている。
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