20代夫婦が戸建てを買えるのも地方都市ならでは(写真:イメージマート)
地方都市に在住する地元志向が強い若者たちを「マイルドヤンキー」と揶揄する向きもあるが、はたしてその生き方は揶揄されるようなものなのだろうか。佐賀県唐津市に在住するネットニュース編集者の中川淳一郎氏(52)は「マイルドヤンキー的な生き方が羨ましくて仕方がない」という。その真意はなにか、中川氏が考察する。
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「マイルドヤンキー」という言葉もすっかり定着した印象ですが、思い浮かぶキーワードとしては、「高卒」「地元愛」「早婚」「仲間を大事にする」「ワンボックスカーに乗る」といった感じでしょうか。従来、都会のホワイトカラーからは、ネット上で「DQN(=ドキュン・低学歴のバカ)」などと言われて蔑む対象になりがちでした。
そうしたなかマイルドヤンキーを肯定的に捉える風潮も出てきています。先日、LASISAというウェブメディアが配信した『「実家暮らし最強」「20代で戸建て」 マイルドヤンキー的な価値観が“合理的”と言われるワケ』という記事(2月10日)を読みました。内容はタイトル通りなのですが、これにはおおいに頷きました。記事はこう締められています。
〈外から見ると地元にいたままで地味に見えがちですが、地域経済を支え、次の世代を育てているのは立派な社会貢献といえます。東京か地元か、成功か安定か。単純な二択で測れない時代だからこそ、マイルドヤンキーの生き方は「一つの幸せの形」という見方が静かに広がっているのかもしれません〉
私は2020年11月に東京都渋谷区から佐賀県唐津市に移住しましたが、現在付き合っている人の中には、ここでいうところの「マイルドヤンキー」に分類されそうな方々も少なくない。彼ら/彼女らを見ていると、確かに幸せそうだし、地元の親戚や友人を通じたネットワークが存在しており、セーフティネットもしっかりしているのです。
いちいち「マイルドヤンキー」とレッテルを貼るのはためらうものの、便宜上ここではそう表現します。地方都市における「地元愛」は、人生をよい方向に後押ししてくれる、ものすごく強力なツールだと感じるのです。私など、移住から5年以上経っても、結局は「移住者」、つまり「ヨソ者」なわけでして、地縁はありません。いまだに人を紹介される時は「東京から移住してきた中川さん」と言われることばかり。
