日本テレビHDの社外取締役に勝栄二郎・元財務次官(左)、テレビ朝日HDの非常勤取締役には池田克彦・元警視総監(時事通信フォト)
高市早苗・首相率いる自民党の歴史的大勝となった今回の総選挙。「国論を二分するような大胆な政策」を推進するとしてきた高市氏は、憲法改正や安全保障政策の転換を進めるとみられているが、それだけではない。狙いを定めているのが、テレビメディアの巨大な既得権益「電波利権」。高市政権は、「地デジの電波オークション」の導入に向けて動き出そうとしているのだ。すでに昨年の電波法改正で「電波オークション」の導入が決まり、今年、通信用の高周波数帯の一部について日本で初めて実施される予定。今後、地デジにおいても電波オークション導入に向けての議論が進んでいく可能性が高まっている。今回は、テレビ局の「電波利権」の現状を解説する。【シリーズ第2回】
利用価値が高いにもかかわらずキー局の利用料は格安
テレビ局が利用する地デジ放送の周波数帯はとくに利用価値が高いとされている。しかし、それが十分に有効利用されているとは言えない。
TBSの経営企画局長やTBSメディア総合研究所社長などを歴任したメディアコーディネーターの氏家夏彦氏が言う。
「テレビ局が放送で使う周波数帯は障害物を回り込みやすく、建物内や地下、山間部でも安定してつながりやすい特性を持つ。テレビ局はそれを映像と音声を伝えるためだけに使用しているが、この周波数は携帯電話の通信品質の向上やサービスの多様化にも利用できることから、別の用途に充てるべきではないかという議論があるのです」
しかも、テレビ局はこの利用価値の高い周波数帯を“格安”で利用している。
