集中力がもつ時間は人それぞれ(イメージ)
同僚は週末に何時間も英語を学び、上司は毎日2時間の読書を欠かさない。そんな話を聞くたび、「自分にはそこまでの時間も集中力もない」と焦ったことはないだろうか。真似しようとしても続かず、気づけば他人との比較に疲れ落ち込んでしまう──よくある経験談だ。
しかし、「学習時間の長さ」で努力や成長を測る発想そのものに疑問を投げかける人物がいる。スペインを拠点に活動するアーティストで実業家の長谷川雅彬氏は、体験を通した学びに必要なのは時間ではなく「強度と頻度」だと語る。たとえ全力を尽くせるのが10分でも、その価値は決して小さくないという。
学びは本当に、費やした時間で決まるのか。私たちが信じてきた「努力の物差し」は、別の形をしているのかもしれない。長谷川雅彬氏の著書『君は体験に投資してるか』より一部抜粋・再構成して紹介する。【全3回の第2回】
体験を通じた学びを最速化するために必要なこと
時間が無限にあるように感じていた学生時代とは違い、大人は忙しい。
いつの間にか1週間が1時間のように感じるようになり、瞬く間に時間が過ぎていく。ゆっくり時間をかけて何かを学んでいる時間はないと感じている人も多いだろう。また、そもそも体験を通して学ぶということ自体に慣れていない人も多いかもしれない。
一般的には、とにかく長い時間をかけることが何事においても最善の方法のように語られる。何時間も勉強したり、遅くまで働いたりすることが美談として語られ、また賞賛される。
確かに学生時代にエリートと呼ばれる人たちは、1日に何時間も勉強し、日に12時間以上勉強しているような学生も多くいた。そういった方法ができるならそれも良いが、残念ながら私にはできなかった。実際に何度か試みたが良い結果につながらなかったのだ。
例えば、大学生の時に海外留学を目指して、1日何時間も英語の勉強をするといったことを1年間以上続けたことがある。しかし、結果は全校不合格であった。ここだけの話、そもそも勉強という発想が性に合わないのかもしれない。
強調しておきたいが、いわゆるエリートと言われるような人たちが行っている勉強法を否定するつもりはない。なぜなら、ここで提唱する体験を通した学習法は、目的も根本的な考え方も違うからだ。なので、この方法を資格試験の勉強に利用したいと考えているなら考え直して欲しい。試験勉強のための勉強法や横並びの競争に勝つための方法ではないからだ。
前置きが長くなったが、体験を通じた学びを最速化するために、最も大事なのは強度と頻度だ。これは、スポーツでも言語学習でも、文化体験でも新しい分野の仕事でも、同じように当てはまる。
強度という言葉に馴染みがないかもしれないが、どれだけ精神的に全力を出すことができるかと捉えてもらえれば良い。つまり、精神的な全力度合いと、その頻度が体験を通じた学びにおいて重要なポイントで、時間の長さではない。これは非常に重要な点なので、何度でも読み返して欲しい。何時間やったかとか、何年やっているとか、そんなことで測ることは忘れて欲しいのだ。
