*13:07JST RIZAP-G Research Memo(7):2026年3月期第3四半期は収益力向上とともに、財務基盤も強化
■RIZAPグループ<2928>の業績動向
1. 2026年3月期第3四半期の業績概要
2026年3月期第3四半期は、売上収益が124,589百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益が7,688百万円(前年同期は493百万円)、税引前四半期利益が5,294百万円(同2,189百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失が1,744百万円(同2,895百万円の損失)となり、前年同期から大幅に収益を改善した。なお、債権放棄に伴う一過性費用(約59億円、第1四半期に計上、通期の業績予想に反映済み)の影響で第3四半期累計では最終損失を計上したが、第2四半期以降は、最終利益の黒字を継続している。
2026年3月期の経営方針として「収益力の向上」を重点政策に掲げている。注力事業のchocoZAP事業では、会員数の拡大に依存することなく、新規出店や広告宣伝費の抑制によるコスト最適化及び業務プロセスの効率化を積極的に推進した。その結果、RIZAP関連事業(chocoZAP含む)の売上収益は前年同期比3,591百万円減の34,360百万円となった。既存事業では、一新時計やREXT Holdings、SDエンターテイメントなどの増収分(前年同期比4,902百万円増)があった一方で、主会計基準変更及び一部ブランド不振の影響があったアンティローザなどによる減収分(同6,592百万円減)が上回った。利益面は、chocoZAP事業で、業務の内製化や外注費削減等のコスト管理を徹底した結果、出店再開に伴う先行費用を十分に吸収する高い収益を確保した。既存事業でも、REXT HoldingsやBRUNOの増益、グループ各社においても、戦略的な在庫圧縮や不採算商材の抑制やコスト削減の徹底などにより黒字幅が拡大した。全社の営業利益改善額が前年同期比7,195百万円に対して、RIZAP関連事業(chocoZAP含む)の改善額は同4,485百万円、その他の既存事業の改善額は同1,525百万円だった。
(1) ヘルスケア・美容セグメント
RIZAP関連事業では、2026年3月期中間期に、chocoZAPで出店投資の再開と退会率低減に向けた満足度向上策が奏功し、会員数は底打ちから増加に転じた。2026年2月12日時点で会員数111.3万人、店舗数1,862店舗である。FC展開が本格稼働し、投資回収の早期化と財務体質の低リスク化への移行が進展した。コスト最適化による収益性の向上が進み、持続的な高収益モデルを構築したことで増益となった。MRKホールディングス<9980>では、婦人下着及びその他関連事業等が好調に推移し増収増益となった。ヘルスケア・美容セグメントの売上収益は51,385百万円(前年同期比6.2%減)、営業利益は3,430百万円(前年同期は554百万円の損失)となった。
(2) ライフスタイルセグメント
REXT Holdingsでは、エンターテイメント事業で、中核商品であるトレーディングカードの販売が大幅に伸長し、増収増益となった。リユース事業では、過去最高益を達成した前期の好調を維持していることに加え、査定・買取を含む接客技術の高位標準化に向けた研修を強化した結果、増収増益となった。BRUNO<3140>は、「BRUNO」ブランドの家電やカタログギフトが堅調、越境EC販売が好調に推移したものの、トラベル商品ブランド「MILESTO」の売上が想定を下回り、減収増益となった。ライフスタイルセグメントの売上収益は55,269百万円(前年同期比8.3%減)、営業利益は504百万円(同66.3%減)となった。
(3) インベストメントセグメント
SDエンターテイメントでは、主力のウェルネス事業の成長戦略に引き続き取り組み、マシンピラティススタジオや就労支援B型事業所等に戦略投資をした結果、増収減益となった。一新時計は、高級ブランド時計の販売が好調を維持し、増収増益となった。インベストメントセグメントの売上収益は19,035百万円(前年同期比12.5%増)、営業利益は1,354百万円(同278.4%増)となった。
2. 財務状況
2026年3月期第3四半期末の資産合計は前期末比3,324百万円減の166,201百万円となった。このうち流動資産は同5,417百万円増の77,510百万円となったが、主に売却目的で保有する資産の減少(3,288百万円減)などがあったものの、現金及び現金同等物が増加(8,773百万円増)したことによる。現金及び現金同等物の残高は、28,831百万円となり、2025年3月末の20,058百万円、2024年3月末の13,099百万円から順調に増加し、財務基盤が強化された。これは、chocoZAP事業の収益化及びグループ全体の在庫最適化等の取り組みが寄与したためである。非流動資産は同8,742百万円減の88,691百万円となったが、主に繰延税金資産の減少(3,954百万円減)と使用権資産の減少(3,751百万円減)による。
負債合計は前期末比1,900百万円減の105,203百万円となった。このうち流動負債は同587百万円減の65,896百万円であり、営業債務及びその他の債務の増加(2,335百万円増)などがあった一方で、有利子負債の減少(1,973百万円減)があった。非流動負債は同1,312百万円減の39,306百万円となったが、主に有利子負債の減少(1,581百万円減)による。資本合計は同1,424百万円減の60,998百万円となったが、主に利益剰余金が同15,566百万円増加した一方で、資本金が同25,203百万円減少したことによる。
経営指標では、親会社所有者帰属持分比率が2026年3月期第3四半期末に28.7%(前々期末12.4%、前期末に30.4%)と安全性に懸念はない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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