打倒・伊藤忠で財閥系商社はどう動くか(時事通信フォト)
「ラーメンからミサイルまで」──事業領域の広さからそう表現される総合商社は三大財閥グループのなかでも象徴的存在だ。エネルギーや資源の巨大権益でビジネスを展開してきた財閥系商社は、大きな変革のさなかにあるという。その現在地をレポートする
非財閥系・伊藤忠商事躍進の原動力
2026年3月期決算で、純利益で総合商社1位と見通されているのが非財閥系の伊藤忠商事だ。その額9000億円。財閥系の三菱商事(同7000億円)や三井物産(同8200億円)との熾烈なトップ争いをリードする。
伊藤忠躍進の原動力となっているのが、岡藤正広会長CEOが社内で発してきた“檄”だ。
2024年にSNS上に流出した年収水準を見直す同社の内部文書には、岡藤会長の署名とともに「財閥系商社との格差を埋める」「追いつけ追い越せの気持ちで」などと、財閥系商社へのライバル心をむき出しにした文言が躍り、話題となった。
同文書では、社員の平均年収で2000万円を突破した三菱商事を強く意識し、2024年度通期の純利益が計画値の8800億円を達成したら平均年収を10%上げると宣言。伊藤忠の2024年度の純利益は8802億円だったため、岡藤会長の宣言通りなら前年度に1805万円だった平均給与は25年度、2000万円台に迫る勢いとなる。
財閥VS非財閥の熾烈な争い
そうした伊藤忠の姿勢に、三菱商事の現役社員はこう感想を述べる。
「我々は普段は財閥であることを全く意識しませんが、伊藤忠の社員一人ひとりからは、財閥を意識した岡藤流の信念を強く感じます」

