*11:05JST アセンテック Research Memo(5):高まる需要を背景に2027年1月期も堅調推移を見込む
■アセンテック<3565>の今後の見通し
1. 2027年1月期の業績見通し
2027年1月期の連結業績については、売上高17,500百万円(前期比1.4%増)、営業利益2,000百万円(同29.6%減)、経常利益2,100百万円(同27.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,430百万円(同30.6%減)を見込んでいる。この業績見通しで注視すべき点は、売上高が前中期経営計画どおりの17,500百万円を堅持していることである。また、経常利益については、前中期経営計画の目標値から上方修正を行い、2,100百万円を見込んでいる。これは当初の計画比で9.9%の増加にあたり、同社の収益力が計画策定時よりも高まっていることを示している。
過去最高益を記録した2026年1月期の実績と比較すると大幅な減益計画に見えるが、これは2026年1月期に発生した一時的な特殊要因による反動減としての側面が強い。2026年1月期には、戦略的提携の成果として当初予想に含まれていなかった大型のCitrix製品案件が前倒しで複数成約したことに加え、Citrix製品の契約更新需要が集中するサイクルであった。2027年1月期はこれらの押し上げ要因を除いた巡航速度での成長を反映したものであり、当初計画から上方修正された高い水準である。株主還元についても、年間配当性向45%以上を基準とする新たな方針に基づき、1株当たり年間配当金15.0円(株式分割考慮前で45.0円)を予定しており、成長と還元の両立を継続する。
2. 事業環境と同社の対応
2027年1月期の事業環境は、ハイブリッドワークの定着と、企業におけるAI活用の本格化が大きな軸となっている。まず、働き方の面では、出社と在宅を組み合わせたハイブリッドワークが一般化したことで、企業にとっては端末の管理やセキュリティの確保がより複雑で厄介な課題となっている。こうした背景から、Windows端末をサーバー側で集約管理できる仮想デスクトップ(VDI)や、ランサムウェア対策を中心とした高度なセキュリティ対策への需要は、引き続き堅調に推移すると予測されている。
また、ITインフラ市場において大きな注目を集めているのがAIの活用である。生成AIなどの普及に伴い、膨大なデータ処理を必要とするAIをいかに安全かつ効率的に動かすかが企業の重要課題となっている。特に、機密情報の保護や通信遅延(レスポンス速度)、コストの観点から、従来のクラウド型AIの課題を解決する手段として、現場に近い場所で処理を行う「エッジ」やオンプレミス環境でのAIインフラ構築へのニーズが急速に高まっている。加えて、Broadcom社によるVMwareの価格改定やパートナー制度の大幅な変更により、多くの企業がVMwareの継続利用に不安を抱いており、代替ソリューションへの移行検討が加速している。
これらの環境変化に対し、同社は以下のような対応を推進する。
第1に、主力である仮想デスクトップ領域において、自治体や金融機関、民間企業など幅広い業界に対し、独自の「リモートPCアレイ」やVDIソリューションの展開を強化する。特にVMwareの代替需要に対しては、「XenServer」をはじめとする代替ソリューションのラインナップを拡充し、移行ツールやサポート体制を整えることで、顧客の不安を解消しつつシェアの拡大を図る。第2に、AIインフラ市場への本格参入である。新基盤である「Edge AI Array」を投入し、まずは高い応答速度とセキュリティが求められる「バーチャルヒューマン」向けのセキュアなAIインフラとして展開を開始する。これは、「リモートPCアレイ」で培った高密度な集約技術を応用したものであり、オンプレミス環境で高速かつ安全にAIを稼働させたいという企業のニーズを的確に捉えるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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