*09:33JST 日華化学株式会社×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(3)
日華化学<4463>
●DAIBOUCHOU
そうすると逆に、原材料価格が安くなる局面では、そのタイムラグによって一時的に利益が出やすくなることもあるのですね。
■日華化学 江守様
おっしゃる通りです。そのようになります。
●DAIBOUCHOU
よく分かりました。ありがとうございます。
次に、化粧品の新工場設立によって製造量が3倍に増える見込みとのことですが、化粧品事業の中期計画における売上高を見ると、2025年の152億円から2030年の200億円へと、約50億円の増加に留まっています。これは、売上高を急激に伸ばすというよりは、外部委託(外注)を減らして新工場へ生産を集約していくという流れが大きいのでしょうか。
■日華化学 江守様
まず、現在進めている福井スマートファクトリーの計画ですが、非常に大がかりな工場を建設しています。この生産能力が3倍になるという背景について説明します。現在の化粧品の製造工場は、今このインタビューを行っている場所のすぐ隣の敷地にあります。これは1982年頃に原型となる工場を建設したのですが、増築や補修を重ねながら現在まで稼働させてきました。しかし、この周辺は住宅地が非常に隣接しており、街中にある工場の性質上、夜間の操業は当然できません。また、先ほど触れた通り古い建物を維持しながら使ってきたため、中2階で原料を作り、2階で中間材を製造し、1階で包装を行うといった、非効率的な動線の工場となっています。
おかげさまで、先ほど申し上げた「BOTANIST(ボタニスト)」をはじめ、様々な製品が非常に大きな規模へと成長しました。そのため、当社としても効率的な自動ラインなどを導入していく必要に迫られていました。さらに倉庫についても、これまでは製造した製品をすべてトラックに積み、隣の倉庫に運んで保管するという非常に手間のかかる方法をとっていました。今回の新工場は倉庫が隣接しており、こちらもすべて自動倉庫となっています。できあがった製品から次々と自動ラックへ格納できる設計です。
これまでは、このように手狭な工場で工夫しながら製造してきたため、生産量の約半分は外部委託(外注)に頼らざるを得ない状況でした。今回のスマートファクトリーが完成すれば、すべてではありませんが、外注していた分のかなりの割合を自社生産に切り替えることができると考えています。
また、自然な売上高の成長についてですが、当社の化粧品事業は約20年前と比較して売上が約3倍に拡大しています。今後も国内、あるいは海外への展開を視野に入れていますので、さらに売上の伸長率は高まっていくと予測しています。年平均で3%から5%程度の成長を見込んでおり、このペースで推移すれば、おそらく2035年にはこの新工場も生産能力が一杯になると見込んでいます。なお、投資回収期間(ペイバックピリオド)については、およそ7年から8年を想定しています。
●DAIBOUCHOU
なるほど。そうしますと、生産能力を3倍にするというのは、2035年の満杯に向けて少し余裕を持たせた設計にしているということですね。
■日華化学 江守様
その通りです。2035年には新工場の生産能力も一杯になりますので、さらにその手前の2030年頃には、次の工場計画を策定しなければならないと考えています。それが当社のベストシナリオですが、そのような見通しを立てて進めています。
●DAIBOUCHOU
住宅に隣接した手狭な工場で非効率的なつくりだったところから、非常に自動化され、効率的で収益性も高まりそうな工場へと生まれ変わるわけですね。
■日華化学 江守様
その通りです。この新工場は、まさに収益性を向上させるためのものです。ただし、稼働後は減価償却費が大きく発生しますので、当社はEBITDAを経営指標の最も重要な中心に据えて、これからも事業を展開していきたいと考えています。
●DAIBOUCHOU
よく分かりました。ありがとうございます。
次に、半導体用水溶性クーラント剤についてです。最近はAI半導体関連分野に対して投資家の期待も高く、需要も大きく増えそうですが、実際の状況はいかがでしょうか。また、もし差し支えなければ、利益率がどの程度なのかについても教えてください。
■日華化学 江守様
スライドに半導体の製造工程を分かりやすく図式化して掲載しています。一般的に半導体というと、最後の組み立てなどの工程をイメージされる方が多いですが、実は非常に長いプロセスが存在します。当社の製品が使われるのは、半導体製造の最も初期の工程です。シリコンインゴットと呼ばれる、30センチメートルほどの円柱状のシリコンの塊を、非常に薄くスライスしていく段階があります。この切り出す工程で、当社のクーラントが必要とされます。昨今は2ナノメートルや5ナノメートルといった超微細化技術が話題になっていますが、このシリコンを極薄かつ精密に切り出す最初のプロセスこそが極めて重要です。ここが正確に行われなければ、微細な半導体は実現しません。そういった意味で、当社は最先端半導体の基礎中の基礎となる部分を支えていると自負しています。
この非常に長い半導体工程において、当社は水溶性クーラントの工程だけでなく、さらにその先の工程に向けても現在挑戦を始めています。
クーラントについて詳しく述べますと、先ほどご指摘があったように、AIの急速な普及に伴って半導体の需要は右肩上がりに伸びています。しかし同時に、技術革新も急ピッチで進んでおり、半導体1枚あたりの処理能力が飛躍的に向上しています。そのため、社会的な需要が100倍になったからといって、シリコンウエハの必要枚数やスライシングの回数が単純に100倍になるわけではありません。今後は1枚で従来の1,000倍の処理能力を持つような製品が登場する可能性もあります。
したがって、半導体市場全体の急成長と全く同じ比例関係でクーラントの使用量が増加し続けるわけではありません。それでも現在は、AIブームの後押しを受けて半導体分野全体が非常に活性化しています。半導体業界には特有のシリコンサイクルがあり、現在の好況から一度落ち着き、再び拡大へと向かうといったサイクルは、今後も繰り返されていくと考えています。
●DAIBOUCHOU
このクーラント製品についてですが、例えば2ナノメートルといった、より微細で高度な技術に対応した製品になれば、単価が上がったり収益性が高くなったりするなど、製品の「質」の向上に伴って単価が上昇することはあるのでしょうか。
■日華化学 江守様
それは全くありません。
●DAIBOUCHOU
全くないのですか。そうしますと、製品の種類自体は特に変わらないということでしょうか。
日華化学株式会社×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(4)に続く
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