*11:45JST エスプール Research Memo(5):障がい者雇用支援サービスはM&Aも視野に入れ、さらなる成長を目指す
■エスプール<2471>の今後の見通し
2. 中期経営計画の進捗状況
同社は、2025年11月期から5ヶ年の中期経営計画をスタートさせており、最終年度となる2029年11月期の業績目標として売上収益360億円、営業利益45億円を掲げている。「次の10年を見据えた経営基盤のさらなる強化」を基本方針に掲げ推進してきたが、事業環境の変化や収益の進捗状況に照らし、計画のアップデートを進めている。2026年11月期の決算発表時に詳細が公表される予定だが、成長期待の高い障がい者雇用支援サービスへ経営リソースの集中を一段と推進する点がポイントとなる。これに伴い、各事業の売上目標は見直す予定であるものの、営業利益目標については当初数値を据え置く計画である。
また、中長期的な成長を実現するための経営基盤の強化に向けた取り組みも進めている。具体的には、グループ横断営業体制を構築すべく専門部署を新設し、グループ各社が保有する顧客情報や営業データの統合・活用、クロスセルを推進しており、既に同取り組みによる受注実績も表れている。また、業務効率化やコスト削減のほか、営業効率の向上や新サービス開発など攻めと守りの両面でDX・AXを積極活用している。さらに、組織力の強化を図るべく経営層と社員の対話機会を創出している。現場の課題や改善テーマの把握を進め、改善に向けた各種プロジェクトを立ち上げているほか、人事評価制度の見直しにも着手している。
なお、主力事業となる障がい者雇用支援事業については、農園サービスの全国展開を軸に、新たなサービスの開発や就労移行支援サービスへの進出など事業領域を拡充していくことで、さらなる成長を目指す。農園については従来、三大都市圏で展開してきたが、全国の障がい者に対する雇用機会の創出に向け、2027年11月期より地方拠点へも展開していく計画であり、準備を進めている。また、新設農園については屋内型が中心となる。屋外型は猛暑や台風・降雪など気候変動に伴う事業リスクが存在するほか、進出場所の探索にも時間を要することが背景にある。加えて、就労環境の観点からも屋内型がより適していると判断しているためである。
新たな働き方の創出に向けては、IT系や事務系業務などを対象としたサービスを開発中であり、2027年11月期中にもサービスを開始する計画である。農業以外の選択肢を提供することにより、障がい者の適性や特性に応じた新たな就労機会の創出を目指している。さらには、テック企業やアカデミア等との協業の下、農園で培った就労支援ノウハウとAIなど先進技術を活用し、企業内就労の実現から受入環境整備、定着支援までを一体で提供する新サービスの開発を推進している。
そのほか、就労移行支援サービスへの新規参入も視野に入れている。就職前の訓練段階からサービス領域に取り込むことで、障がい者雇用支援における一気通貫のサービス体制を構築し、同事業のさらなる成長を図る。同市場はLITALICO<7366>が最大手として先行するが、同社はM&Aの活用も視野に早期のシェア拡大を目指す方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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