*11:45JST SBIリーシング Research Memo(5):SBIグループの信用力を背景として資金調達手段を多様化
■SBIリーシングサービス<5834>の業績動向
2. 財務状況
2026年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比6,487百万円増加の112,264百万円となった。主な増減要因としては流動資産が5,321百万円増加した影響が大きく、その主な内訳は、現金及び預金が1,841百万円、前渡金が5,965百万円、販売用航空機等が10,336百万円それぞれ減少した一方で、ファンド組成の進捗に伴い商品出資金が24,584百万円増加した。
負債合計は前期末比2,908百万円増加の83,512百万円となった。流動負債が12,689百万円減少する一方、固定負債が15,597百万円増加した。流動負債の内訳を見ると、短期借入金が7,500百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が8,130百万円減少した。固定負債の内訳は、社債が6,000百万円増加、長期借入金も9,597百万円増加した。
同社はJOL商品及びJOLCO商品の組成にあたり、商品仕入及び一時的な立替出資を行うこともあり、業容拡大に伴い外部資金調達を拡大する必要がある。このため、同社は銀行からの借入れに加えて、社債による資金調達を開始するなど、さらなる事業基盤拡大を視野に入れて資金調達の多様化及び安定化を図っており、固定負債の増加はその結果としての側面がある。
3. キャッシュ・フローの状況
2026年3月期の連結キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは13百万円の収入となった。これは、棚卸資産が前期末比14,246百万円増加する一方、航空機購入に関わる前渡金が同5,965百万円減少、税金等調整前当期純利益が8,652百万円となったことなどによる。
投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式の取得を中心に254百万円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの差額)は241百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,605百万円の支出となった。これは、長期借入れによる収入10,100百万円及び社債の発行による収入5,969百万円等により資金が増加する一方、短期借入金の7,500百万円の純減少や長期借入金の返済による支出8,632百万円に加えて、配当金の支払額が1,733百万円となるなど資金の減少が上回ったことによる。
これらの結果、2026年3月期末の現金及び現金同等物は、前期末比1,841百万円減少して7,094百万円となった。
4. 経営指標
2026年3月期の安全性指標を見ると、自己資本比率が25.5%(前期末は23.8%)、ネットD/Eレシオが2.28倍(同2.53倍)となり、前期末比で改善が見られた。業容が拡大するなかで、利益成長により自己資本が積み上がったことによる。また、収益性指標のうち、資本効率を示すROEは22.5%となり、前期の19.0%からさらに上昇した。
ROEに関しては総合リース大手の10%前後、同業のジャパンインベストメントアドバイザー<7172>の2025年12月期の15.0%と比較しても高い水準にある。同社のROEを分解すると、売上高当期純利益率9.4%(前期は10.5%)、期初・期末平均ベースの総資産回転率が0.57回(同0.40回)、同ベースの財務レバレッジ4.05倍(同4.21倍)となる。総合リース大手とは異なり、リスクを引き受けてファンドを組成・販売して手数料を得るビジネスモデルであり、手数料が主な売上高となるJOLCOを中心に利益率が高く、高水準のROEを実現できている。また、ジャパンインベストメントアドバイザーとの比較では、総資産回転率が相対的に高いことがROEの高さを支える主な要因となっている。
安全性指標については、業容拡大に伴いレバレッジが拡大傾向にある。しかし同社の有利子負債は、総合リース会社のように長期間保有するリース資産拡大に伴うものではなく、短期間に販売・回収される商品仕入・残高拡大に伴うものである。このため、総合リース大手ほど財務レバレッジを高めずに済み、総じて良好な水準を維持している。また、同社はSBIグループの一員としての信用力を背景に、資金調達面における安定性を確保している。2025年2月に同社として初の公募普通社債50億円を発行したのに続き、同年12月にも公募普通社債60億円を発行するなど資金調達の多様化も進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
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