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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】ウイルテック Research Memo:2027年3月期第1四半期の売上高は過去最高、各利益とも黒字化

*18:30JST ウイルテック Research Memo:2027年3月期第1四半期の売上高は過去最高、各利益とも黒字化
■業績動向

ウイルテック<7087>は、モノづくりの「総合ソリューションカンパニー」を目指して、「人財系」と「モノ・コトづくり」の2つのフィールドで事業を展開している。「人財系フィールド」は製造請負・派遣事業及び技術者派遣事業から構成され、「モノ・コトづくりフィールド」はEMS事業及び社会サポート事業から構成される。

1. 2027年3月期第1四半期の業績概要
2027年3月期第1四半期の連結業績は、売上高で11,861百万円(前年同期比10.8%増)、営業利益は293百万円(前年同期は53百万円の損失)、経常利益は308百万円(同28百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は128百万円(同85百万円の純損失)となり、売上高は過去最高、各利益とも黒字化した。

売上面では、生成AI関連投資を背景とした半導体関連分野で底堅い需要が継続したことが主な増収要因となった。利益面では、計画的な人財投資および営業活動実施に伴う販管費増加が131百万円の減益要因となる一方、増収効果が199百万円、粗利率改善が279百万円の増益要因となり、347百万円の営業損益改善となった。

事業セグメント別に見ると、人財系フィールドの売上高が前年同期比6.5%増の6,948百万円、セグメント利益が同35.2%増の169百万円となり、モノ・コトづくりフィールドの売上高が同17.6%増の4,913百万円、セグメント利益が前年同期の112百万円の損失から183百万円の黒字に転換した。人財系フィールドのうち、製造請負・派遣事業については、売上高が3,183百万円(同3.8%増)、事業利益は70百万円(同44.2%減)となった。自動車・電子機器部品関連の一部主要顧客において生産調整が実施されたものの、生成AI・データセンター関連の投資拡大を背景に半導体関連向け需要が底堅く推移して増収に寄与する一方、優秀な人材を確保するための処遇改善等を進めた結果、人件費や採用関連費の上昇等が減益要因となった。技術者派遣事業については、売上高が3,764百万円(同9.0%増)、事業利益は98百万円(前年同期は1百万円の損失)となった。生成AI関連、都市部の再開発などの需要が堅調に推移して機電及び建設を中心に増収となったうえ、価格交渉の積極的な推進や、技術社員総数の増加に伴う新卒研修にかかるコスト割合の相対的低下もあり大幅増益となった。モノ・コトづくりフィールドのうち、EMS事業では売上高が4,370百万円(同21.6%増)、事業利益は193百万円(前年同期は136百万円の損失)と黒字転換した。生成AI・サーバー関連の受注拡大や国内設備投資拡大を背景に工作機械をはじめとする産業機械関連の需要回復が増収に寄与したうえ、照明器具における新製品の販売が堅調に推移したことなどにより大幅増益となった。社会サポート事業では、売上高が543百万円(同7.3%減)、事業損失が10百万円(前年同期は23百万円の利益)となった。主に再生可能エネルギー関連の保守・メンテナンスサービスを提供する社会インフラ分野では、一部顧客の季節性需要の一巡により減収となったが、新規顧客開拓が順調に進展したほか、サーキュラーエコノミー分野では、リユース市場拡大を追い風にOA機器等の主要商材において販売が好調に推移した。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比3.9%増の47,740百万円、営業利益で同1.5%増の1,350百万円、経常利益で同3.0%減の1,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.8%増の923百万円と経常利益を除き増収増益の見通しであり、期初会社計画からの変更はない。なお、経常減益となるのは、新工場建設に伴う助成金収入80百万円が無くなり、助成金収入が前期比で65百万円程度減少する影響が大きく、テクニカルな要因と考えられる。

2027年3月期の経営環境としては、製造業におけるAI関連の半導体需要や、建設業におけるインフラ更新、IT業界におけるDX・AI実装に向けたシステム開発などの底堅い需要を背景として、人財系フィールドにおける堅調な需要が継続することが想定される。また、モノ・コトづくりフィールドにおいても、航空関連の照明設備の更新などに伴う利益貢献が期待できる。中東情勢緊迫化の影響には引き続き留意する必要があるが、新卒研修にかかるコスト負担が相対的に大きい第1四半期において黒字転換しており、利益が下期偏重型であることも考慮すれば、通期で期初会社計画を上回る可能性が十分あると弊社は見ている。

■中長期の成長戦略

2035年に売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE15%以上を目指す

同社はグループ長期ビジョン「Future Vision 2035」を策定し、2025年8月に公表した。同ビジョンの対象期間(2026年3月期から2035年3月期まで)を、事業の効率性を高めながら、今後のさらなる成長に向けた事業モデルの水平展開をすすめ、幅広い市場ニーズを獲得し、多面的な事業成長を図る期間と位置付けており、2035年に売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE15%以上を目標としている。

同ビジョンの達成による継続的な企業成長及び企業価値向上に向けて、事業ポートフォリオの見直しを進めている。人財系フィールドの製造請負・派遣事業及び技術者派遣事業については、請負事業や開発受託の強化等を通じたオーガニック成長により、キャッシュ創出の源泉となる安定基盤と位置付けている。一方、モノ・コトづくりフィールドのEMS事業及び社会サポート事業については、次なる成長エンジンと位置付けて、M&Aによる事業拡充も視野に入れている。現状において、社会サポート事業では先行投資領域であるロボット事業において収益化に遅れが生じたが、EMS事業では新規受注案件の獲得が進むなど、成長に向けた施策は着実に進捗している模様である。

■株主還元策

2027年3月期の1株当たり配当金は43円を計画、業績好調で増配も視野に入る

同社は株主還元策として配当を実施しているほか、2025年9月より株主優待制度を導入した。また、機動的な自己株式の取得を実施するなど、株主還元に積極的に取り組む姿勢を示している。

配当方針については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、連結配当性向30%を目安に中間配当と期末配当の年2回の配当により、減配せず持続的かつ安定した配当を実施していくこととしている。上記配当方針に従い、2027年3月期の1株当たり配当金として前期に引き続き43円を計画しているが、通期業績が期初会社計画を上回れば、増配も視野に入ると見ている。

(執筆:アナリスト 古川聖治)

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