*10:46JST PHCホールディングス:1Q営業益2.7倍で急回復、配当約3%のダブルバガー候補
PHCホールディングス<6523>の株価は、決算発表を受けて大幅高となり反発姿勢を強めている。構造改革が進みつつあり、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画の達成が視野に入れば、PER15倍で時価総額は3,000億円を上回る(現在1,841億円)。10倍台前半のPER(111.8倍)、3%近い配当利回りも下値を支える。
同社は、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスを中核とする医療機器・ヘルスケア企業だ。血糖測定システム(BGM)、電子カルテ、臨床検査受託、病理検査機器、超低温フリーザーなどを幅広く手掛けており、国内外の医療・研究現場に多面的に関与している点が特徴だ。単一製品に依存する事業構造ではなく、慢性疾患管理、医療DX、診断・研究支援をまたいで収益機会を持つことで、事業ポートフォリオの分散が効いた経営基盤を築いている。
8月6日に発表された2027年3月期第1四半期は、売上収益906億円(前年同期比+8.1%)、営業利益104億円(同+171.0%)と大幅な増収増益で着地した。先進国における市場縮小が続くなかでもBGM(血糖測定)の販売が堅調に推移し、欧州・北米での販売数量増加や為替の円安による好影響もあって増収を牽引した。営業利益は欧米でのBGM販売好調、コスト改善、CGM(持続血糖測定)事業譲渡による収益性改善で糖尿病マネジメントが大幅増益となり、ヘルスケアITにおける前年の買替需要の反動減などを吸収して、社内計画を大幅に上回って着地した。
2027年3月期は、円高の為替前提とCGM事業譲渡による減収を見込み、売上収益3,597億円(前期比-1.3%)、営業利益270億円(同+19.0%)を計画する。通期予想は上期の動向を見極めるため据え置かれたが、売上・利益ともに計画を大幅に上回る好スタートを切っている。配当は前年同額の年間42円を見込む。中期経営計画2年目として、実施済み施策の効果発現に加え、引き続きコスト削減に向けた取組みとポートフォリオの位置付けに応じた投資効率改善施策を推進する。中期経営計画の目標値達成に向けて着実に進捗させるとともに、来期以降の成長に向けた次期中計につなげる方針だ。
中期経営計画2027では、売上成長率4~5%、営業利益率8~10%、EPSをFY24比で2倍以上、ROE10%以上、ROIC8%以上を目標に掲げる。実現に向けた柱は、ポートフォリオ管理の強化、コスト最適化、拠点・組織最適化を通じた構造改革だ。ポートフォリオ管理強化では、前期に実施したCGM事業の譲渡(FY24営業赤字90億円)により足元でも大幅な赤字削減・収益性改善が実現している。構造改革は、診断・ライフサイエンスで、拠点統合やマネジメント効率化の効果が顕著に表れ始めている。今後も堅調さが期待されるのは、収益源としてのBGM、電子処方箋需要などの政策追い風を受ける医療IT、回復・拡大余地のあるPHCbiや病理分野だ。
株主還元は、年間配当42円を維持する方針で、配当利回りは2.9%程度となる見通しだ。現中期経営計画期間中は有利子負債の返済を優先しつつも、安定配当を継続する考えを示している。営業キャッシュフローは成長投資、負債返済、株主還元に配分する方針で、次期中計では財務改善の進展を前提に還元拡充も視野に入れている。 総じて同社は、糖尿病マネジメント事業の収益改善を軸に、医療DXや診断・ライフサイエンスの成長領域を育成しながら企業価値向上を目指す局面にある。足元では米国需要の影響が重荷だが、事業面の改善は着実に進んでおり、今後の収益力向上に期待したい。
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