*17:53JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:G20財務相・中央銀行総裁会議、米ISM製造業景気指数、米雇用統計
■株式相場見通し
予想レンジ:上限68000円-下限64000円
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比9.45ドル安の53559.99ドル、ナスダックは同138.93ポイント安の26402.42で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比620円安の65830円。ジャクソンホール会議におけるウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)議長講演を受けて、9月利上げ観測が再燃する形となった。また、一部企業の決算発表後の株価下落で半導体関連が総じて軟化し、指数の押し下げにもつながった。
ウォーシュ議長の講演内容が想定以上にタカ派的なものであったため、9月15-16日開催予定の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ予想は50%以上にまで高まっているもよう。金融政策の先行きを占う上で、来週は雇用統計やISM製造業景気指数などの経済指標が発表予定となっているが、大幅に想定を下振れない限り、早期の追加利上げ実施を織り込む動きが優勢となっていこう。国内ハイテク株にとっても逆風となる可能性が高い。なお、雇用統計明けの米国市場はレイバーデーのため3連休となり、ポジション整理の動きが強まりやすそうなことにも注意。
また、日本銀行の早期追加利上げ懸念も拭い切れない。米国の早期利上げ観測が高まる中、8月の東京都区部消費者物価指数(CPI)もインフレ圧力の強まりを意識させるものとなり、これから発表される国内の経済指標にはより関心が高まっていく方向となろう。来週は、鉱工業生産、4-6月期法人企業統計、家計調査などが注目されることになる。週前半に予定されているG7・G20財務相・中央銀行総裁会議などでの外圧の高まりの有無なども同様に注目される。
米国株や欧州株の月別騰落率では、9月は最もパフォーマンスが悪化しやすい月として知られている。海外株式市場との連動性を考慮すれば、東京市場もハイテク株を中心に先行きはやや慎重な姿勢が必要になってくると考えられる。米中間選挙が接近していることや、9月下旬から10月初旬にかけて米アンソロピックの大型IPOを控えていることも、9月の調整色をより強めさせよう。とりわけ、決算発表後のエヌビディアの株価上昇に対する限定的な反応、5兆円投資報道を受けたキオクシアホールディングス<285A>の株価大幅安からは、AI・半導体株の過熱警戒感は拭い切れていないと判断される。相対的には、9月中間期末の権利取りを見据えて、グロース株よりもバリュー株に優位性があると考えておきたい。
半導体株に関しては、来週は米ブロードコムの決算発表が予定されている。サムスン電子との協業拡大も伝わっており、半導体関連への見方を変化させるものとなる可能性も残す。ただ、好決算を発表したマーベルがその後大幅安となるなど、依然として半導体関連株の過熱感は拭い切れない公算が大きい印象。海外企業の決算ではパロアルト・ネットワークスの決算もポイントとなりそうだ。今週はセールスフォースの決算がサプライズとなり、国内の情報ソフト株にも幅広く好影響を与えた。関連株の一段の上値追いにつながっていくか注目されるほか、防衛関連銘柄にも影響を及ぼす可能性がある。
■為替市場見通し
ドル・円は伸び悩みか。米国のインフレ圧力は弱まらず、引き締め的な金融政策を見込んだドル買いに振れやすい地合いが続く。ただ、心理的節目の160円を上抜ければ、追加為替介入への警戒感が強まり、引き続き上値は重い。
26日に発表された米コアPCE価格指数は前年比+3.3%と、前回から横ばいとの予想と一致した。前月比では+0.2%と、伸びは加速している。インフレ指標は高止まっており、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な政策に思惑が広がる。
9月4日発表予定の米雇用統計は、前回悪化の反動から強い内容が予想され、早期追加利上げ観測により長期金利が高水準を維持すれば、ドル買いに振れやすい。また、中東情勢の過度な懸念は一服したものの不透明感は払拭されず、ドルは売りづらい。
一方、日本銀行は9月17-18日開催予定の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切る公算。ただ、市場はすでに織り込みつつあり、円買いは抑制されそうだ。高市政権の積極財政を不安視した円売りも、引き続きドルを支えるだろう。
ただ、米トランプ政権が取りまとめを急ぐ財政健全化プログラムの内容を見極めようと、過度なドル買いは抑制されよう。また、160円台は追加為替介入への警戒感が強まるため、ドルは上昇基調ながらそのピッチは緩慢になるとみる。
■来週の注目スケジュール
8月31日(月):小売売上高(7月)、鉱工業生産(7月)、百貨店・スーパー売上高(7月)、住宅着工件数(7月)、G20財務相・中央銀行総裁会議(9月1日まで)、上海協力機構(SCO)首脳会議(9月1日まで)、米・ダラス連銀製造業景況指数(8月)、中・製造業PMI(8月)、中・サービス業PMI(8月)、独・CPI(8月)、トルコ・GDP(4-6月)、英・株式市場は祝日のため休場(バンクホリデー)など
9月1日(火):企業利益(4-6月)、設備投資(4-6月)、製造業PMI(8月)、消費者態度指数(8月)、G20イノベーション相会合(2日まで)、米・製造業PMI確報値(8月)、米・ISM製造業景況指数(8月)、米・建設支出(7月)、米・求人件数(7月)、中・RatingDog製造業PMI(8月)、欧・ユーロ圏製造業PMI確報値(8月)、欧・ユーロ圏失業率(7月)、欧・ユーロ圏CPI(8月)、独・製造業PMI確報値(8月)など
9月2日(水):高田日銀審議委員が札幌市金融経済懇談会で講演、同記者会見、マネタリーベース(8月)、米・ADP雇用統計(8月)、米・製造業受注(7月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、豪・GDP(4-6月)など
9月3日(木):サービス業PMI(8月)、米・ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事が「ロイターネクスト」イベントで討論会に参加、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・貿易収支(7月)、米・サービス業PMI確報値(8月)、米・ISM非製造業総合景況指数(8月)、中・RatingDogサービス業PMI(8月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI確報値(8月)、欧・ユーロ圏PPI(7月)、独・サービス業PMI確報値(8月)など
9月4日(金):家計支出(7月)、国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA)開幕(8日まで)、米・非農業部門雇用者数(8月)、米・失業率(8月)、米・平均時給(8月)、欧・ユーロ圏小売売上高(7月)、独・製造業受注(7月)、加・失業率(8月)など
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