*11:06JST 電算システムHD Research Memo(6):好調なクラウド・ライセンスをドライバーに計画達成を目指す(2)
■今後の見通し
2. セグメント別業績見通し
(2) 収納代行サービス事業
電算システムホールディングス<4072>の売上高は26,210百万円(前期比4.5%増)、営業利益は2,106百万円(同21.3%減)を見込む。内訳は、コンビニ収納オフライン決済23,603百万円(同5.1%増)、口座振替704百万円(同2.2%増)、オンライン決済1,287百万円(同8.3%増)、収納代行周辺232百万円(同37.1%減)、その他の収益(後払いサービス)384百万円(同3.3%増)を見込んでいる。
収納代行サービス事業は、売上高について、Biz@gentの解約や国際送金サービスを中止した収納代行周辺以外、全てのサブセグメントで、新規稼働により増収を計画する。主力のコンビニ収納オフライン決済については、足元で入札を積極化しており、取引が拡大傾向にある。確実に入札案件を勝ち取るため、特に開発が長期にわたる大型案件では、情報収集を徹底し、案件発掘から公告、入札、開発、引き渡しまでパイプラインを管理し、収益の計上時期や額など、収益の全体観を意識しながら取り組んでいるもよう。なお、同セグメントでは、取扱件数が若干減少傾向を見せるため、民間企業への提案を強化する方向性もあるようだ。また、市場が拡大するオンライン決済については、払込票をスマートフォンのアプリで提示するなどの電子決済関連に関し、自治体が関心を寄せ始めていることから、提案を強化する計画を進めている。利益に関しては、ブロックチェーン決済インフラ構築に向けた投資のため、大幅な減益を見通す。現段階では開発コストに見合う収益化につながるカギとして、同インフラを利用するユーザーの利点を探索中のため、スモールステップでまずはユースケースを積み上げる方針で、2026年12月期には実証実験等を具体化させる段階に持ち込み、2027年12月期に収益化、以降の業績貢献という流れを想定しているようだ。
■トピックス
指数関数的な成長を見せるAI技術にキャッチアップ、収益化へ
1. 最新AI技術の活用最適化に向けた取り組み
足元で好調なクラウド・ライセンスについては、GeminiをはじめとしたGoogle AIソリューションに対する需要からの後押しが大きい。そのため、指数関数的な速度で進化するAI技術にキャッチアップし、サポートやコンサルティングを充実させてアップセル等を展開し、LTVを上げて収益を拡大する方向性を持つ。そこでカギを握るのが、生成AI専門組織「Project Gen」である。同組織を中心とした知識の共有による技術向上やサポート体制が、顧客との強いリレーションを創り上げている。
多くの企業がAI活用の意向を示すなか、日進月歩のAI技術に関し、最適な活用が進む企業はそれほど多くない。そのため、サポートに対する需要は顕在化している。同社のAI関連サポートは、現時点では顧客ニーズに応えるサービスの一環として取り組んでいることから、直接的な業績貢献はない。しかし、AI関連サポートをトリガーとしたSI・ソフト開発とクラウドの事業拡大を構想している。その意味では、「Project Gen」のAIサポート体制は、将来的な収益の源泉とも言えるだろう。顧客のインサイトや需要に沿う形でAI活用を最適化するため、日々AI関連情報を更新し、最新のAI技術を活用したPoC案件(技術や概念、アイディアの検証)を実施することでケーススタディを積み上げている。サポートから新規提案につながれば、案件化においては、顧客へのクロスセルに効果を発揮する、営業本部直轄の横断的なアカウント営業が有効に機能するだろう。なお、ケーススタディを積み上げるとともに、人材開発の観点でAI技術のエキスパート育成にも注力している。
Google関連で、同社は、2026年4月に、日本市場でのGoogle Workspaceと生成AI(Gemini、Gemini Enterprise)の導入・定着を一気通貫して支援、生成AI変革を成功させた実績が評価され、Google Cloud Partner of the Year「Artificial Intelligence: Workplace AI Transformation-Japan」を受賞した。加えて同年6月には「Gemini Enterprise」の特設サイトの公開を開始し、顧客が動画を通じて実業務でのAI動作を体感できる場を提供している。また、新規顧客獲得の視点では、グループの電算システムがオンラインを中心に定期的にセミナーを開催しており、最近はAI技術に関連したテーマも多く、同セミナーを通して同社に関心を持った顧客からのコンタクトもあるようで、顧客層拡大への期待も高まる。
2. 直近の新サービス
(1) ゴーガ:熊出没情報可視化Webサイト「熊.jp」公開
全国でクマ被害が増加するなか、ゴーガは日本国内における熊の目撃・出没情報を地図上に可視化し、地域住民や自治体の安全対策・被害防止を支援するWebサイト「熊.jp」を公開した。同社が長年培ってきた位置情報システム(GIS)の開発ノウハウ及びGoogle Maps Platformに関する高度な技術を活用し、自治体が公開するオープンデータ(東京都・秋田県)を基に危険度を可視化する情報サイトである。
(2) ピーエスアイ:未知の脅威をリアルタイムで監視するAIセキュリティ「TM001」
ピーエスアイは2026年9月、AIが社内ネットワークを常時監視し、過去の攻撃パターンに依存せず通信の振る舞いから未知の脅威をリアルタイムに検知・可視化する「TM001」を発売した。同製品は従来の大企業向けに販売してきた上位製品「Darktrace」で培ったノウハウを生かし、中堅・小規模事業者向けにも手が届く製品としてサプライチェーン全体でのセキュリティ対策に貢献するソリューションである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>