*12:06JST アクシスC Research Memo(6):好環境に加え戦略投資の効果が顕在化
■業績動向
1. 2026年6月期の業績動向
中期経営計画初年度の2026年6月期の業績は、売上高が8,289百万円(前期比57.3%増)、営業利益が492百万円(同134.3%増)、経常利益が497百万円(同126.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が288百万円(同10.3%減)と好調な着地となった。期初予想(売上高6,920百万円、営業利益350百万円)との比較でも、売上高1,369百万円、営業利益142百万円の上振れとなった。これは、ハイエンド人材の需要拡大により単体業績が非常に好調だったこと、第3四半期からSSPを連結したことが要因である。親会社株主に帰属する当期純利益のみ減益になったのは、2025年6月期に特別利益で抱合せ株式消滅差益が発生した反動による。なお、2025年6月期が非連結決算、2026年6月期が連結決算のためアクシスコンサルティング<9344>は増減率を記載していないが、便宜上記載した。
日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな景気回復基調となった一方、世界的なインフレや金融政策の動向、地政学的リスクの高まりなど依然として先行き不透明な状況が続いた。このため、DXやAIの進展及び企業を取り巻く経営アジェンダの高度化に伴い、企業には戦略を構想するだけではなく、それを着実に実行し成果へ結び付けるための高度専門人材がこれまで以上に求められるようになった。しかし、そのような専門人材の確保は年々難易度が高まっており、正社員のみ、外部専門人材のみから、両者を組み合わせた柔軟な人材戦略へとニーズが広がっている。このように良好な環境のなか、同社は企業の人的資本の最大化・最適化・再配置や経営アジェンダの解決を支援するため、国内最大級のハイエンド人材データベースとプラットフォームを背景に人材紹介とスキルシェアをワンストップで提供した。一方、中期経営計画に沿って戦略投資を積極的に実施するとともにSSPを子会社化し、グループとしての事業基盤の強化に努めた。
戦略投資効果に関しては、おおむね中期経営計画に沿った進捗となった。広告宣伝投資については、第1四半期のTVCM放映で問い合わせ数が1.5倍になるなど認知度を高めることができたため、第2四半期以降はデジタルマーケティングを中心に面談機会の創出のための投資に集中することになった。この結果、認知向上から集客への連動がスムーズに進み、入社決定人数の先行指標となる面談数、入社決定人数ともに顕著な増加基調となった。しかし、増加基調が想定以上となったことから、一部広告宣伝投資予算を人的資本投資に振り向け、即戦力人材を中心にフロント部門の強化に注力した。この結果、拡大するハイエンド人材需要を着実に取り込むことができ、入社決定人数のV字回復につながった。戦略投資の具体的な成果としては、広告宣伝投資により面談数が前期比42%増加、DX・IT投資によりフロント部門人員1人当たりの工数を3%~4%削減、人的資本投資ではフロント部門を中心に58名の人員を採用した。こうした成果によって、業務量の増加に耐えながら従業員の役割を細分化できるようになり、規模と効率を追求できる企業へと進化しはじめたところといえる。
このように計画通り投じた先行投資による効果が早くも顕在化したため、売上高は大幅な増加となり、営業利益は売上高を大きく上回る伸びとなった。加えて、戦略投資の効果が想定以上だったため、期初予想及び第3四半期時点の修正予想を上回る着地となった。戦略投資を実行していなければ、AI社会到来により急拡大しはじめたハイエンド人材の需要を取り切れなかった可能性があり、その点でタイミングの良い戦略だったといえる。なお、トピックスとして、人材エージェントとしての実績が評価され、大手ファームのデロイト トーマツから企業・個人の合計4部門で受賞した。また、同社に登録するハイエンド人材と国内スタートアップ企業をマッチングする、スタートアップ向け副業CxOマッチングサービス「CxO-Pass」の登録CxO候補者が2,000名を突破し、人材紹介の増加へつながる集客ツールとして機能し始めた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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