学生の希望を尊重しながらどう配慮するか(写真:イメージマート)
人権問題への取り組みが組織にとって大きなイシューとなるなか、公平性(Equity)、多様性(Diversity)、包摂性(Inclusion)を意味する「EDI」の考え方が、近年、企業だけでなく日本の大学でも方針や制度に取り入れられるようになっている。
その一つが、性的指向や性自認の多様性を尊重する取り組みだ。性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字を取った「SOGI(ソジ)」という言葉も使われるようになった。
SOGIに関する侮辱や嫌がらせ、本人の同意なく第三者にその人の性的指向や性自認を伝える「アウティング」など、SOGIハラスメント防止に向けた対策を講じる動きも広がっており、独自のガイドラインを設ける大学もある。
一方、その理念には共感しつつも、現場での具体的な対応に悩まされる教員も少なくない様子。学生の希望を尊重しながら、プライバシーにも配慮するにはどうすればよいのか。教育現場での戸惑いについて、大学教員に話を聞いた。
ルールを明確にしたい教員と、厳格な運用に戸惑う教員の対立
性の多様性への配慮を、授業や学生生活のなかでどう実践するのか。その方法については、教員間でも意見が分かれ、しばしば対立が生じている大学もあるという。いったいどのような対立なのか。
