ライフ

「父はバブル、自分は氷河期」 結婚を諦める40代男性の嘆き

「私の父は高卒で、色々な仕事を転々とした挙げ句、都市銀行に入ることができ、そこで定年まで勤め上げました。大して出世したわけではなく、学のない父のことを心の中でバカにしていた時期もありました。

 けれども父は、埼玉県のベッドタウンに一戸建てを建て、子ども2人を私立の大学に通わせました。母親はずっと専業主婦です。どうやら家を買った直後にバブル時代がやって来て、かなり美味しい思いをしたようで、ローンもすんなり返せたようです。

 一方、私は子どもの頃からマジメに勉強し続け、世で“一流”と呼ばれる大学を卒業しましたが、今後、どう考えても都内からの通勤圏内に一戸建てなど買えませんし、子供を2人持って、私立の大学に通わせるなど、経済的に不可能でしょう。そう思ったら、何だか色々なことがバカらしくなってしまいました……」

 Sさんの父親世代は、今ほど学歴が“絶対”ではなかったようで、Sさんの父は高卒でも都市銀行に入ることができた。しかもバブルという大きな“ボーナス”も貰い、そこで経済的にも潤った。それにひきかえSさんが生まれたのはベビーブーム真っ只中でライバルも多く、大学受験で苦労し、不景気で就職活動でも苦労し、就職後も世の中の景気が良かったことは一度もない。

 すべてを時代のせいにしてしまうのは情けないが、Sさんが不条理だと思うのも無理はないだろう。そんなSさんが「一生結婚しない」と固く誓うのは、やはり親との関係性も影響しているという。

「大学院まで出た私に対する父の期待は大きく、私に向かって『オレみたいな平凡な人生は送るな』と言います。けれどもオレに言わせれば、家も買って、車もあって、子供2人を大学に通わせられたら“超”がつく勝ち組ですよ! それならいっそ独り身で、自分が好きなことをやった方がずっといいですね」

 かくして、結婚や子育てという人生プランを諦めたSさん。それでも父からは「頑張って大学院まで行かせたんだから、老後は頼む」ともほのめかされていて、Sさんもそれは当然だと思っており、今さらながらせっせとお金を貯めているそうだ。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。