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投資

投資で欠かせない「天と地」の視点とは? 元ファンドマネジャーが実践する分析手法を解説

投資におけるマクロ的視点とミクロ的視点の違いとは?(写真:イメージマート)

投資におけるマクロ的視点とミクロ的視点の違いとは?(写真:イメージマート)

 投資をする際に、経済や企業をどのように分析すればよいだろうか。元ファンドマネージャー・志村暢彦氏は、「天(マクロ)の視点」と「地(ミクロ)の視点」が欠かせないと説明する。新刊『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』が話題の志村氏が投資をする際に持つべき視点について、具体的に解説する。

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 世界をつくっているのは「天」「地」「人」の3つだという考え方があります。私は投資でも、この視点が大切だと思っています。

「天」は、マクロ経済、世界の経済の動向を意味します。メディアに出てくる経済専門家のみなさんは、往々にしてこの部分を強調する傾向があります。

「地」は、個別企業(ミクロ)の事情です。企業から発信されるIR情報、株式投資関連のウェブメディア「みんかぶ」「株探」、「Yahoo!ファイナンス」などのネット情報から得られます。

「人」は、投資家による投資の実践。天(マクロ)と地(ミクロ)を踏まえて、それぞれの個人投資家がどう行動するかです。

 個人投資家向けの書籍では、「天」「地」「人」のうち、「人」がどう動くかにフォーカスする傾向があります。そこが、類書とのいちばんの差別化ポイントだからでしょう。「人」の要素はもちろん大事なのですが、まずは「天」と「地」を客観的に把握する姿勢が欠かせないと私は思っているのです。それぞれ、詳しく説明していきましょう。

「天」(マクロ)と「地」(ミクロ)

 天(マクロ)は、個別銘柄以外の要因です。経済情勢の変化や株式市場全体の動向により、業績や株価が変わることを意味します。

 たとえば、2012年11月に始まったアベノミクスによる金融緩和により、日経平均株価はV字回復を果たし、ほとんどの銘柄で業績も株価も上昇しました。逆に2020年には、コロナ禍のあおりを受けてほとんどの銘柄で業績も株価も一時、下がりました。これらは、いずれも天(マクロ)の要因によるものです。

 地(ミクロ)は、銘柄固有の要因です。それぞれの企業努力で新しい商品・サービスが開発されてヒットすると業績が上向き、株価が上昇。逆に社運を賭けて開発した新しい商品・サービスが大コケして業績が悪化すると、株価は下がるでしょう。

 投資した銘柄の株価が下がったとしても、それは新しい商品・サービスが不発だったことによる銘柄固有のミクロ的な要因によるのか、それとも市場全体が下がっているマクロ的な要因によるのか。マクロ的視点・ミクロ的視点を分けて考えてみるのです。

 マクロ的な要因で業績や株価が落ち込んだとしても、それがコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻のように一過性だと考えられ、ミクロ的な要因は依然として問題のない銘柄であれば、長期的に見ると“またとない仕入れ時”になるでしょう。

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