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日本の「食の安全」への懸念から注目集まる家庭菜園 子供たちのために小麦の栽培を始めた母親の思い

家庭菜園ブームの背景には「食」への不安が

家庭菜園ブームの背景には「食」への不安が

「もともと田んぼだった耕作放棄地を借りてスタートさせました。小麦作りに挑むメンバーは農業経験のない普通のお母さんたちがほとんどです。畑仕事なんてしたことがなかったし、もちろん農具も持っていない。現役の農家さんに指導を受けて道具も貸してもらい、たくさん助けていただきながら頑張って小麦を育てました。

 活動を知った知人のすすめで和歌山県の『農業農村活性化支援モデル事業』に申請し、県の補助金を受けています。もちろん私たちに利益は一切ありません。しかもみんな、平日は仕事があるから活動するのは主に土日。月曜になると職場で筋肉痛にあえいでいました」

 2020年夏から草刈りや種まきなどを開始して実りを待ち、翌年5月に初の収穫。賛同者から貸してもらった機械での刈り取りと並行して手作業の刈り取りイベントも実施。その後、たくさんの人の協力を得て製粉された小麦は、給食パンの原料となり、県内86校で提供された。子供たちが「甘みがある」「においが違う」とおいしそうにパンを食べる姿に、多田さんは手応えを感じたという。

「子供たちは『毎日これなら残さずに食べられる』と言ってくれました。賛同して小麦作りを始めてくれる農家さんも増えています。とはいえ現状、私たちの小麦の収穫量が少ないので学校給食のパンをすべてまかなうのは難しく、まだ基本的に外国産小麦ですが、少しでも安全な和歌山県産に変えていきたい。県産小麦のパンを1食でも多く子供たちに届けたいという思いで、さらに生産者のかたを増やせるように呼びかけながら、現在も小麦を作っています」

 今年5月、小麦は3度目の収穫を迎える。

※女性セブン2023年5月4日号

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